研究課題/領域番号 |
16081205
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 俊則 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (90220011)
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研究分担者 |
真木 晶弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40044755)
春山 富義 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90181031)
佐伯 学行 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (70282506)
寺沢 和洋 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 講師 (10329138)
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キーワード | 素粒子実験 / 国際協力 / ミュー粒子 / 超対称性 / 大統一理論 / 液体キセノン / ガンマ線検出器 / スイス |
研究概要 |
本年度は以下に述べる研究を行った。 ・ビーム輸送ソレノイド電磁石以外のπE5ビームラインコンポーネントを全て配置し、ビーム調整を行った。静電セパレータを使用し、4cm厚の生成ターゲットを使用した状態で、実験に必要とされるビーム強度を上回る1×10^8μ/secのミュー粒子が得られることを実証した。 ・ビーム調整時にキセノン検出器に影響を及ぼす可能性がある中性子のバックグラウンドの影響をキセノン検出器大型プロトタイプにより評価した。中性子バックグラウンドのエネルギースペクトラムを計測するためには、ボナー球を使用した。また、特に主要なバックグラウンドとなる熱中性子線量の計測には信頼度の高いHe^3カウンターを併用した。この結果、中性子バックグラウンドは検出器上流側にコンクリートブロックを積み上げることで、検出器運転に影響を及ぼさないレベルにまで落とせることが判明した。 ・πE5ビームラインにて、π^0粒子を利用した検出器性能評価試験を行った。試験に際しては高量子効率を持つ改良型の光電子増倍管を導入し、55MeVガンマ線に対して高エネルギー側(ピークの右側)で約1.5%の分解能(σ)が得られることが判明した。また、光電子増倍管からの信号を開発中の高速FADCにより読み出し、ガンマ線/アルファ線イベントの事象選別を試みた。選別能力は波形の質に大きく依存するが、ノイズなどの混入の少ない通常の波形であれば5〜6σでの判別が可能であることが判明した。より詳細な解析は今後も進められる。 ・キセノン検出器の製作を開始した。現在、検出器の真空断熱容器の製作、光電子増倍管サポートの設計、純化装置と真空系の製作・組み立てを行っている。また、今年度は検出器に取り付けられる光電子増倍管を購入し、その性能試験と較正を行う準備を行った。実際の試験は平成17年度初頭に開始される予定である。
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