研究課題/領域番号 |
16081208
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
川越 清以 神戸大学, 理学研究科, 教授 (40183785)
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研究分担者 |
藏重 久弥 神戸大学, 理学研究科, 教授 (20205181)
山崎 祐司 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00311126)
越智 敦彦 神戸大学, 理学研究科, 助教 (40335419)
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キーワード | LHC / アトラス実験 / 超対称性 / ミューオン / TGC / 新粒子 / 素粒子 / GRID |
研究概要 |
LHC加速器の故障により、アトラス実験の本格的開始は遅れていたが、2009年11月にLHCが運転を再開し、12月には陽子陽子衝突事象の観測に成功した。ただし、衝突エネルギーは世界最高の2.36TeVを達成したものの、本来の高エネルギー領域には到達していない。12月に収集したデータで、アトラス実験は最初の物理論文を発表した。 The ATLAS Collaboration, "Charged-particle multiplicities in pp interactions at sqrt(s)=900GeV measured with the ATLAS detector at the LHC", arXiv : 1003.3124vl 2010年3月末に衝突エネルギー7TeVでの衝突が始まり、その後2010年と2011年には、衝突エネルギー7TeVのままで長期間継続して実験データを収集する。現在はこれまでのデータを用いて検出器の調整を行いながら、超対称性の発見のための準備を行っている。 1.われわれの担当するミューオントリガーシステムについて、トリガーウィンドウの改良、トリガー効率決定法の改良、レベル2トリガーにおける飛跡のパターン認識法など、シミュレーションと実データを用いた検討を行った。 2.LHC加速器の衝突エネルギーは、当初想定していた14TeVから10TeVへ、さらに7TeVへと変更された。新しい衝突エネルギーでのシミュレーションデータを生成し、超対称性発見の可能性とそれに続く超対称性の研究について再検討を行った。 3.超対称性モデルにおいて、2番目に軽い超対称性粒子が長寿命の荷電粒子で、アトラス検出器の中で「重いミュー粒子」のようにふるまう可能性がある。このような粒子をミューオントリガーシステムでトリガーするアルゴリズムを完成させた。
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