研究分担者 |
岩崎 信 東北大学, 大学院・教育情報学研究部, 教授 (10005465)
岩崎 智彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70184869)
西谷 健夫 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主席 (30354608)
石川 正男 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 博士研究員 (70370351)
|
研究概要 |
今年度は昨年度設定したロードマップに従い, 1)高速・高感度中性子検出法の開発,2)コンパクト中性子カメラの開発,3)JT-60Uにおける実測のためのデータ収集法の検討,を行った。具体的内容は以下の通りである。 1.スチルベンシンチレータの高速化 JT-60Uで使用してきたnγ弁別回路付スチルベン検出器の計数率上限(〜10^5CPS)を大幅に高めるために,フラッシュADCに信号波形を直接取り込み,デジタルデータ処理でnγ弁別を行う手法の開発に着手し,計測系とデータ収集・処理プログラムを整備した。nγ弁別と計数率の関係を調べ,60ns程度の積分時間で弁別が可能なことを見出し,データ転送の高速化法を検討した。 2.平行平板雪崩検出器(PPAC)の開発 最も高速な応答を有するPPACを核融合炉に適用するため,増倍特性を調べ、数Torrの低いガス圧において,高速な応答を示し,陽子に対しても十分な信号を生じることを見出した。従って反跳陽子やα粒子によっても高速応答が得られるので,PPACの高速性を生かしつつ,大型化や感度の向上が可能となる見通しを得た。また,核融合中性子によるバックグラウンドの低減法も見出した。 3.コンパクト中性子カメラの開発 限られたスペースしか利用できない実験炉で必要なコンパクトな中性子カメラとして,CVDダイヤモンド検出器と水中の^<16>O(n,p)^<16>N反応による^<16>Nからのγ線を利用したチェレンコフ検出器の試験を行い,ダイヤモンド検出器の照射特性を明らかにし,チェレンコフ検出器の実用化への見通しを得た。 4.中性子プロファイルデータの解析とデジタル信号処理法の導入 JT-60Uにおいて得られてきた中性子観測データの解析を進めるとともに,高周波事象を観測するためにフラッシュADCを用いた測定の準備を行い,予備実験を開始した。
|