研究課題/領域番号 |
16082207
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
PETERSON B.J. 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (00280595)
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研究分担者 |
木島 滋 日本原子力研究開発機構, 炉心プラズマ研究部, 副主任研究員 (80354588)
芦川 直子 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00353441)
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キーワード | ボロメータ / 損失アルファ粒子 / 赤外線イメージング / ITER / LHD / プラズマ計測 |
研究概要 |
JT-60Uトカマクに設置したイメージング・ボロメータについては、今年度赤外線カメラの遮蔽性能を向上させると共にデータ伝送・収集系の改良を行った。中性子遮蔽として従来3cmであったポリエチレンの厚さを9cmとし、磁気シールド用軟鉄の厚さも6mmから20mmに増加した。更にガンマ線低減のための厚さ15mmの鉛を加えた。これらの遮蔽増強により、従来不可能であった重水素放電での高パワー中性粒子加熱実験時において赤外線カメラがほぼ正常に動作するようになった。さらにデータ伝送・収集系を改良してJT-60Uの放電と同期した14ビットディジタル画像信号データの収集も可能となった。前年度までの手動トリガーによる8ビットアナログ画像データでの測定と較べて大きな進展である。JT-60Uプラズマのコア及びダイバータ部からの放射損失の空間構造が高分解イメージング・ボロメータによって測定可能となり、トカマク炉の環境下におけるイメージング・ボロメータの運転可能性を実証する、と云う本科研費の一つの目標が達成された事になる。 さらに今年度JT-60Uイメージング・ボロメータの詳細な較正データも取得する事が出来た。今後の解析により、イメージング・ボロメータによる測定が絶対値として明らかとなる。 一方、多層膜粒子計測における熱検出器としてのイメージング・ボロメータの適用性研究に関しては、東北大学のFNLイオンビーム源を用いて多層膜の材質、厚さ及び層数を変化させる実験を開始した。層数の異なる厚さ1mmと2.5mmの金及びニッケル膜について多層膜のビーム阻止性能評価試験を行った。 本研究に関連して、木島博士がヨーロッパ物理学会で、ピーターソン博士が米国物理学会と高エネルギー粒子に関するIAEA技術専門委員会で、またパルチャミ博士研究員が核融合学会で、夫々発表を行った。
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