研究概要 |
本年度、診断能力の向上を狙って、JT-60Uのイメージングボロメータをアップグレードしたものに交換した。変更点を以下に示す。空間分解能を向上させるため、開口部を5mm×5mmから2.5mm(水平方向)×2mm(垂直方向)に縮小した。これにより、チャンネル数は12(水平/トロイダル方向)×16(垂直/ポロイダル方向)から、24(水平/トロイダル方向)×40(垂直/ポロイダル方向)に増加した。フォイルの剛性を高めるため、2.5ミクロン厚の金箔から5ミクロン厚のタンタル箔に変更した。フォイルは、以前開発したレーザー較正法を用いて精密な較正を行った。直径63mmのZnSe赤外用真空窓を直径100mmのサファイア窓に変更した。CaF2レンズとアルミニウム鏡から成る赤外用ペリスコープを設置した。感度・時問分解能・空間分解能の向上のため、Omega/Indigo社製赤外線カメラ(7.5〜13.5ミクロン,30fps,100mk,120×160ピクセル)をPhoenix/FLIR社製赤外線カメラ(3〜5ミクロン、345fps,25mk,256×320ピクセル)に変更した。赤外線カメラのシールドは、磁気シールドとして2cm厚(従来と同じ)の軟鉄、ガンマ線シールドとして鉛を2cm厚(従来は1.5cm)に増厚し、中性子シールドとして9cm厚のポリエチレンから10cm厚のエボナイト(ホウ素ドープ材)に変更することで、増強を行った。アップグレードしたボロメータの設置は2007年12月に完了し、2008年1月に最初の計測データを取得した。 2007年6月に米国・アルバカーキで開催された第22回SOFEにて、新しいイメージングボロメータの設計についてのポスター発表を研究代表者が行い、また2007年10月に土岐市で開催された第17回国際土岐コンファレンスにて、研究成果した。
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