研究課題/領域番号 |
16082208
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
森下 一男 (川端 一男) 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60109353)
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研究分担者 |
田中 謙治 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50260047)
秋山 毅志 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80370138)
岡島 茂樹 中部大学, 工学部, 教授 (90113084)
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キーワード | 核燃焼プラズマ / レーザー計測 / 干渉計測 / 偏光計測 / 電流分布 / 電子密度分布 |
研究概要 |
核燃焼プラズマの自立性を確保するためには、核反応率に密接に関係する密度分布と、プラズマの閉じ込め特性及びアルファー粒子の閉じ込めに関係する磁場分布の制御が重要である。本研究計画では、これらのプラズマ諸量の計測法として遠赤外レーザーによる干渉・偏光計測法の開発を進めている。今年度の主要研究成果を以下に記載する。 1)ITER等の大型核融合実験装置の計測に必要なレーザー光源として波長57.2μmと47.6μmの2波長同時発振レーザー光源の開発を進めた。共振器長制御のために新たに高精度ステッピングモーターによる制御機能を整備し発振周波数の安定化を図った。これにより2波長同時発振時におけるレーザー特性の測定が可能となり、両波長ともガウシアンビームによる伝播であることが確認され、計測光学系の設計が可能となった。 2)レーザー干渉・偏光計測によってプラズマ中の密度分布と磁場情報を得るために複数の計測手法が提案されている。その手法の一つとしてCotton-Mouton偏光計による密度計測がある。この手法の計測精度・特性を探り、プラズマ計測への適用可能性を検証することを目的に、CHS装置にてHCNレーザーを用いたCotton-Mouton偏光計を開発し、プラズマ測定を行った。Cotton-Mouton偏光計測で評価した線平均電子密度は、通常の干渉計測で得られた線平均電子密度とほぼ一致した。計測分解能を決めている要因についての検討と評価を行った。 3)磁場情報を得るためのファラデー回転の測定方法として、従来から光の偏光状態を変調する光弾性変調器(PEM)を用いた手法がある。本手法は、干渉計測システムとの整合性が高く、光学系もシンプルになるという利点があるが、核融合プラズマの偏光計測に有用な遠赤外領域で使用できるPEMがこれまで無かった。そこで、本研究では50μm帯で透過率が高く、光学的に等方な高抵抗シリコンを用いたPEMを新たに開発した。変調振幅を決める光学遅延量は、偏光計測に十分な約λ/4が得られ、模擬偏光計テストでは、問題なく偏光角を測定できることを確かめた。 4)LHD, ITER等での干渉・偏光計測では、計測ポートの制約から多チャンネル計測システム構築のために真空容器内への反射ミラーの設置が避けられない。この場合プラズマによるミラー損傷の評価が重要となる。今年度LHD装置の真空容器壁に複数の反射ミラーを取り付け、プラズマ照射前後における反射率変化の波長依存性の測定を行った。ミラー材質による相違、ミラー形状の効果、損傷のメカニズムに関しての検討が進んだ。
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