研究課題/領域番号 |
16082209
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
東井 和夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (20093057)
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研究分担者 |
大舘 暁 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00270489)
榊原 悟 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (90280594)
武智 学 日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究員 (40370423)
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キーワード | プラズマ・核融合 / アルファ粒子 / 高速イオン / アルヴェン固有モード / TAE / 高速粒子モード / 損失イオンプローブ / ピッチ角 |
研究概要 |
本研究は、トカマクプラズマばかりでなくヘリカルプラズマにおいてアルファ粒子及びアンテナによりアルヴェン固有モード(AE)を励起し、そのモード特性と高速イオン輸送への影響を包括的に明らかにすることを目的としている。実験では、LHDとCHSのヘリカル装置及びJT-60UとTEXTORのトカマク装置を利用し、中性ビーム入射(NBI)で生成した高速イオンをアルファ粒子の模擬に用いている。一方、アンテナによる励起実験では、高速イオンの存在しないプラズマに高周波磁場摂動を印加し、その応答の周波数特性からAEの減衰率(安定化効果)を測定する。 アンテナによる励起実験をCHSとTEXTORで行った。CHSでは、アンテナ方式によりプラズマ周辺部のギャップのトロイダルアルヴェン固有モード(TAE)が励起された。伝達関数の周波数依存性から導出した減衰率は、固有周波数の約6%となった。また、V_e/V_A(V_e:電子の熱速度、V_A:アルヴェン速度)が0.1から4に達する広い範囲のCHSプラズマでAEのアンテナ励起実験を行ない、電子ランダウ減衰の増大を観測した。TEXTORでは伝達関数に複数の共鳴的ピークが見られTAE及び高次のギャップモードと思われる。それらの減衰率の評価を進めている。 CHSでは、高速粒子モード(EPM)に起因した高速イオンの損失を高時間分解の損失イオンプローブにより測定した。EPMバーストに応じて損失される高速イオンはピッチ角の小さいものが顕著であることが明らかとなった。また、JT-60Uの負磁気シアプラズマにおいてRSAEからTAEへの遷移時のAEの高速イオンの輸送に対する影響を、スチルベンシンチレータを用いた中性子分布計測とダイヤモンド検出器を使用した高速中性粒子計測によって詳細に調べ、遷移時に最も多く高速イオンが再分配もしくは排出されることを確認した。
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