研究課題/領域番号 |
16083102
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
廣瀬 恵子 独立行政法人産業技術総合研究所, ジーンファンクション研究センター, 研究チーム長 (90357872)
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研究分担者 |
安永 卓生 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (60251394)
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キーワード | 分子モーター / 電子顕微鏡 / 三次元再構成 / 単粒子解析 / キネシン / ダイニン / ミオシン / 微小管 |
研究概要 |
キネシン分子モーター・微小管システムに関する研究では、昨年度までに得られたキネシンファミリー分子Kar3と微小管の複合体の立体構造の解析を進め、ヌクレオチドの有無で、ミオシンのそれと共通した構造変化があることを見いだし、論文を投稿した。微小管の構造変化の研究においては、GMPCPP存在下での微小管重合条件を検討し、このクライオ電子顕微鏡像の集積を開始した。また、ダイニン分子モーター・微小管システムでは、数種のダイニンをもちいて、ダイニン・微小管複合体の構造研究に適した系を開発するための研究をおこなった。東京大学助教授・真行寺千佳子(研究項目A02 計画研究代表者)らと協力し、ウニ精子から抽出したダイニンをもちいたところ、2本の微小管の間にダイニンが規則的に並んで結合する条件を見いだすことができた。 分担者安永は、電子顕微鏡像の解析方法の開発を進めた。三次元構造の原子モデリングのための新しいアルゴリズムを開発し、J.Plasma.Phys.に印刷中である。電子顕微鏡像の自動抽出のためにSVMを用いた新規のアルゴリズムを開発し、Wseas Trans.Biol.Biomed.に報告した。筋肉の細いフィラメント内部のトロポニンIのC末端サブドメインの位置を電子顕微鏡法で同定し、NMR観察とともにJ.Mol.Biol.に報告した。鞭毛内部での軸糸内椀ダイニンcの配置を画像処理法を用いて同定し、J.Biol.Chem.に報告した。現在、単粒子解析三次元再構成法のためのアルゴリズムを開発しており、特徴量抽出法をもちいた角度決定法を開発し、雑音に強いということがわかった。 さらに広瀬と安永は、日本生物物理学会年会において、「分子モーターシステム:その構造情報の流れと分子メカニズム」と題したシンポジウムをオーガナイズした。
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