研究課題/領域番号 |
16083202
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 隆史 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (80312239)
|
研究分担者 |
内田 千代子 茨城大学, 保健管理センター, 助教授 (80312776)
原田 昌彦 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (70218642)
伊藤 知彦 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (30183742)
高橋 勝彦 昭和大学, 薬学部, 講師 (80307066)
|
キーワード | Pin1 / プロリン異性化酵素 / アミロイド / リン酸化 / タウ / リチウム / 微小管 / アルツハイマー病 |
研究概要 |
Pin1がnotch1シグナルに関与することを明らかにした。リン酸化された活性型notch1(NIC)にPin1が結合して、プロテアソームでの分解を促進し、NICの量を調節している。Pin1が欠損するとNICの分解が起こりにくくなり、胸腺内でのNIC濃度が上昇し、胸腺細胞の異常な増殖がおこって、胸腺が肥大化することを示した(Oncogene)。また、Pin1がアミロイドプリカーサーからのアミロイドベータ生成を制御していることを我々が最初に発見したことを認められ、訂正がnatureに掲載された。 Gas7がリン酸化タウに結合して、シート構造を安定化し、チューブリンの重合を制御していることを、散乱光、暗視野顕微鏡観察、プルダウン、電子顕微鏡観察などのいくつかの方法で確認した。一方、タウを介さないで直接チューブリンに結合することも示した。後者の場合にはGas7はチューブリンの重合の制御は行わなかった。また、Gas7がタウによって安定化され、プロテアソームでの分解が抑制されることを細胞への遺伝子導入実験や、タウKOマウス脳の解析で明らかにした。現在、これらに関しては論文を執筆中である。微小管は神経細胞のシナプスへの小胞輸送のレールとなる細胞内器官であり、その伸張や安定性を制御しているGas7が減少することとアルツハイマー病の発症とは関係している。逆に言えば、Gas7はアルツハイマー病の予防や治療に有用な分子である。生物学的機能を解析するにはノックアウトマウスを作成することが必要であるので。そのためのコンストラクトの作成を行って完成させた。
|