研究課題
モーターシステムの動態を明らかにするため、われわれは微小管上を滑り運動する細胞質ダイニン組換え体を用い、そのATP加水分解に伴う構造変化と、構造変化に共役した滑り運動機構の研究を続けてきた.昨年度は、負染色電子顕微鏡法を用いた、ダイニンモータードメイン(MD)の構造解析を終了した.ここでは、レバーアームに相当するリンカーがAAAリングに沿って16nmものスイングをすることが明らかになった.また、ダイニンモータードメインを構成するサブドメインのマッピングも完了した.次に、ダイニンの微小管上での滑り運動を1分子力学計測あるいは1分子FRET/TIRF解析するためのツールの構築に成功した。まず、MDヘテロダイマー形成のためのタグの開発をおこなった.さらにMD上の反応性の高いCys残基をすべて除いたCys-Lightダイニン構築にも成功した.こうしたツールは今後の1分子計測の基礎技術となる.これを用いて、1分子のMDダイマーが微小管上を歩行する様を可視化する.
すべて 2007 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
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http://bio.c.u-tokyo.ac.jp/labs/sutoh/