研究課題/領域番号 |
16084201
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 昌彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70218642)
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研究分担者 |
筒井 研 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 教授 (70108158)
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キーワード | アクチン関連タンパク質 / 細胞核 / クロマチン / トポイソメラーゼII / 核マトリックス / タンパク質複合体 |
研究概要 |
真核生物のゲノムDNAはクロマチンとして細胞核内に収納されて、細胞核とクロマチンの相互作用によってゲノム機能が制御されることが知られている。しかし、核構造を形成するアーキテクチャーの分子基盤はほとんど明らかにされていない。本研究では、アクチン関連タンパク質(actin-related protein ; Arp)とトポイソメラーゼに注目して、核構造の分子基盤を明らかにすることを目指している。 本年度はヒト培養細胞のhArp5にFlagタグを付加して細胞内で発現させ、タグを利用したアフィニティー精製により、hArp5複合体を精製した。現在、その構成因子の同定を進めている。また、hArp5のRNA干渉法のノックダウンにより核構造の異常が現れることを明らかにした。さらに、出芽酵母のArp6について、クロマチン上への結合をChIP-Chip解析により検出した。 トポイソメラーゼIIβが特定のゲノム領域に働き、一群の神経関連遺伝子の転写誘導を引き起こすことを前年度までに明らかにしてきた。一方、トポIIβを含む分子複合体が存在し、トポIIβのターゲティング機能を担うと思われるMAR結合タンパク質、SP120/SAF-A/hnRNP Uがその一員であることを見いだした。マイクロコッカル・ヌクレアーゼ処理で核から遊離するクロマチンをトポIIβ、あるいはSP120の抗体で免疫沈降すると、再現性よく特定のタンパク質とRNAを含む複合体が分離され、両者の複合体に共通するタンパク質が多く認められた。現在、これらのタンパク質をイムノブロッティングと質量分析で同定している。
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