研究課題/領域番号 |
16084203
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹安 邦夫 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40135695)
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研究分担者 |
日詰 光治 京都大学, 生命科学研究科, 教務職員 (10378846)
堀米 恒好 新潟大学, 理学部, 教授 (60053352)
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キーワード | 核内構造タンパク質 / 核膜孔 / 核膜再構成 / クロマチンファイバー / 核マトリックス / 核小体 / 染色体 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
[本研究の目標](1)ナノスケール解析による核内構造タンパク質の動態の解明:原子間力顕微鏡(AFM)と蛍光顕微鏡技術との重ね合わせにより、核内タンパク質の2次元および3次元的立体配座地図を作成し、細胞周期における動態を解明する。具体的には、これまでに作成した新規抗核内タンパク質群モノクローナル抗体や既存の抗体を用いて、それら抗原の動態を網羅的に解明する。(2)核研究に応用可能な新しいナノスケール解析法の開発:近光接場光顕微鏡(SNOM)/AFMの細胞核研究への応用法、高速AFMの核膜形成の素過程解剖への応用法等を確立する。具体的には、他の計画班との共同研究を積極的に進め、細胞周期依存的な核構造再構成系と最新の可視化技術を組み合わせる、等の研究から、核内構造の形成機構及び動態を明らかにする。 [本年度の実績概要](1)分裂期染色体および核内不溶性分画に含まれるタンパク質に対するマウスモノクローナル抗体(約180種)を作成し、発現ライブラリのスクリーニングや質量分析機を用いた解析から、これまでに19種の抗体について抗原を同定した。これには、JmjCドメインを含む新規タンパク質(核小体に局在)、細胞骨格や核骨格タンパク質(lamin A等)、その他、核マトリックスタンパク質や転写因子が含まれており、これらの情報を元とした"抗核抗体データベース"の公開に向けた準備が完了した。また、これらのモノクローナル抗体には、分裂期染色体表層に局在するタンパク質を抗原とするものや、分裂期の特定の時期に特異的な局在を示すタンパク質を認識するもの、また、核小体内部の異なる部位を認識するものも多数得られており、新規タンパク質ICP36はSC35タンパク質と同じクロマチン間ドメインに局在することが示された。(2)アフリカツメガエル卵抽出液を用いて、ビーズ表面に核膜を再構成する系を確立した。現在、このようにして再構成した核膜を蛍光顕微鏡および原子間力顕微鏡を用いて分子レベルで解析する系を確立中である。今後、一分子蛍光観察および高速走査型AFMを用いて、核膜孔複合体を介した物質輸送、および、分裂期後期における核膜再構成の過程を解析する。
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