研究課題
1.ヒト副腎cDNAライブラリーを用いて、リポイド過形成症の病因であるStAR蛋白と相互作用する因子についてのスクリーニングをyeast two-hybridシステムを利用して計3回行ったところ、13個のポジティブコロニーを得た。これら候補コロニーついて塩基配列の同定、およびcDNAから発現させたタンパクとStARとの結合を免疫沈降によって確認している。2.StAR蛋白結合性蛋白質(SBP)はStAR蛋白に結合する蛋白質でユビキタスに発現するが、特に精巣における発現が高く、またエクソン4、6、9、10に遺伝子多型が存在し、SBPのアミノ酸が置換されることが報告されている。寡少精子症の患者のSBP遺伝子多型を解析した結果、エクソン4のSer164アリル頻度は寡少精子症患者では対照郡に比べて有意に低かった(P<0.03)。また、エクソン10のヘテロ接合体(Arg/Trp)の頻度は寡少精子症患者では対照群に比べて有意に高かった(P<0.02)。SBPは精子形成に関与し、男性不妊に関連があることが判明した。3.骨所見が軽微で、外性器異常(陰核肥大、陰唇癒合、共通泌尿生殖洞)があり、新生児マススクリーニングにて血清17-hydroxyoprogesterone高値を指摘された症例において、P450 oxidoreductase (POR)遺伝子を解析したところ、R457HとE580Qの変異を同定した。4.副腎不全を示した女児2例、精巣形成不全のみで副腎不全のない患者1例,卵巣形成不全の2例においてAd4BP/SF1遺伝子を解析した結果、精巣形成不全の患者においてエクソン2にTからGへの1塩基置換をヘテロ接合性に同定した。この変異により41番目のValがGlyへ置換することとなる。このアミノ酸はDNA結合に重要なP-Box近傍に位置し、マウス、ラットで保存されている。現在この変異体を構築し、その機能について検討を行っている。
すべて 2006
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