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2006 年度 実績報告書

プラナリアにおける生殖戦略転換機構-無性生殖から有性生殖へ-

研究課題

研究課題/領域番号 16086209
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

松本 緑  慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00211574)

研究分担者 竹田 典代  慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (40433742)
星 元紀  慶應義塾大学, 理化学研究所, 客員主管研究員 (20012411)
キーワードプラナリア / 有性生殖 / 無性生殖 / 有性化因子
研究概要

後生動物には、自然環境により生殖方法を無性生殖と有性生殖の間で転換させるものが少なくない。私たちは、扁形動物プラナリアを材料にして、人為的に無性生殖から有性生殖への有性化系を確立している。この系では、無性個体に有性個体を投餌することにより完全に有性化がおこっていることから、有性個体に含まれている「有性化因子」の投与によって、いつでも生殖様式の転換を誘発できると考えられる。有性化系は、ほとんど研究の進んでいない後生動物の生殖戦略転換機構の解析という点で、優れた実験系である。有性化因子の存在は1973年に証明されたものの、約40年たった現在も明らかになっておらず、その化学構造が明らかになれば、後生動物における初の生殖戦略転換にかかわる鍵物質の同定となる。
この10年、有性個体より有性化因子(群)の特徴を明らかにし、単離・同定を目指してきた。本年度は、有性化因子(群)は、逆相、イオン交換そしてゲル濾過クロマトグラフィーを組み合わせた方法によって分離した。その有性化因子のひとつを精製に成功し、NMR解析およびCD測定により、L-トリプトファンであることがわかった。市販のL-トリプトファン投与による生物検定を行ったところ、卵巣の発達及び異所的な卵巣の発達が観察されたが、精巣の発達は観察されなかった。L-トリプトファンは、無性個体の卵巣形成(雌化)を誘導すると考えられ、有性化には複数の因子が関わっていると考えられる。現在、精巣や他の生殖器官を形成する(雄化)因子を精製し、構造解析を行っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] The Dugesia ryukyuensis Database as a Molecular Resource for Studying on Switching of Reproductive System2007

    • 著者名/発表者名
      Hideyuki Ishizuka, Takanobu Maezawa, Junpei Kawauchi, Hanae Nodono, Yukako Hirao, Osamu Nishimura, Haruka Nakagawa, Kiyono Sekii, Kenta Tasaka, Hiroshi Tarui, Kiyokazu Agata, Motonori Hoshi, Kazuya Kobayashi, Yasubumi Sakakibara, Midori Matsumoto
    • 雑誌名

      Zool Sci. 24

      ページ: 31-37

  • [雑誌論文] Characterization of the pigment produced by the planarian, Dugesia ryukyuensis2006

    • 著者名/発表者名
      Sumitaka Hase, Kazumasa Wakamatsu, Kengo Fujimoto, Akemi Inaba, Kazuya Kobayashi, M Matsumoto, M. Hoshi, S. Negishi
    • 雑誌名

      Pigment Cell Res. 19

      ページ: 248-249

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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