研究課題/領域番号 |
16086209
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
松本 緑 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (00211574)
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研究分担者 |
小林 一也 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (50360110)
星 元紀 放送大学, 教養学部, 教授 (20012411)
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キーワード | プラナリア / 生殖様式 / D-アミノ酸 / Piwi / ネオブラスト |
研究概要 |
プラナリアを用いて私たちが独自に開発した有性生殖を行う個体を餌として無性生殖を行う個体に与え、無性生殖個体を有性生殖個体に転換させる(有性化)系を活用して、1有性化を誘導する因子の単離、2有性化に関わる遺伝子群の解析、3全能性幹細胞ネオブラストの生殖細胞分化能について研究を進めてきた。1については、構造解析を行いこの誘導分子の一つがトリプトファン(Trp)の単分子であることを示した。市販のL-Trp及びD-Trpの無性個体への投餌により、D-Trpが卵巣の顕著な発達と異所的な卵巣形成を誘導することを示した。しかし、完全な有性生殖個体への転換は誘導しなかった。現在、完全有性化のために必要なD-Trp以外の因子を探索中である。2については、有性化プラナリアEST-データベースを作成し、各有性化段階でマイクロアレイ解析を活用して、Gene Ontologyなどバイオインフォマティクス的手法により、有性化誘導初期に発現する遺伝子群を探索し見いだした。これらの遺伝子はD-Trp投餌個体でも発現していた。また、Vasa, Piwiなどの他の生物で生殖細胞分化維持に関わることが知られている遺伝子を単離し、RNAiによりこれらの遺伝子群の機能を解析した。3については、生殖様式が異なる個体由来のネオブラスト画分をX線照射個体に移植したところ、誕生時の生殖様式によってネオブラストの生殖細胞への分化能が異なることが示された。
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