研究課題/領域番号 |
16087201
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
大友 征宇 茨城大学, 理学部, 教授 (10213612)
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研究分担者 |
小林 正幸 有明工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (70271864)
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キーワード | 膜タンパク質超分子複合体 / 結晶化 / LH1-RC複合体 / Thermochromatium tepidum / X線構造解析 / LH1 Qy遷移 |
研究概要 |
本研究の目的は、光合成膜内にある超分子色素膜タンパク質の構造と機能を解明することである。光合成細菌系の膜内アンテナLH1と反応中心複合体(LH1-RC複合体)を取り上げる。LH1アンテナは光の受容と反応中心への集光機能を果たしている膜タンパク質であるが、それ自身の結晶構造解析がまだ達成されていない。本年度は前年度に続き、高分解能X線構造解析に向けて、更なる同複合体の結晶化と凍結条件の最適化を目的とした。 これまで行われてきたLH1-RCの結晶化において、膜タンパク質複合体に特有な性質として結晶が非常に弱く、低温測定に必要な凍結過程で壊れてしまう問題点があった。この状況を改善するため、更なる結晶化と凍結条件のスクリーニングを行った。結晶化2週間後に結晶の質が最も良く、この時点で凍結を行うことが最適であることが判明された。 LH1-RC複合体の結晶化実験と並行して、我々は緑色光合成細菌中menoquinole : cytochrome coxidoreductaseから反応中心への電子伝達を担っているcytochrome c_zの構造と機能解明に取り組んだ。まず電子伝達の機能をもつcytochrome c_zのC末ドメイン(C-cyt c_z)を大腸菌で発現させる系の構築とその単離精製法を確立し、続いて円偏光二色性、磁気円偏光二色性、核磁気共鳴及び共鳴ラマンを用いた詳細な分光学的特性評価を行った。さらに結晶化とX線立体構造解析に成功した。これらの成果の一部はすでに国際学術誌に発表した。
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