研究課題
フェロモン受容体膜タンパク質FsrC単独およびFsrC-GBAP複合体の結晶化条件の最適化を進めた。DDMミセル存在下でのFsrCのゲルろ過分析では、活性型と予想される2量体FsrCのピークよりも、排除体積に溶出されたFsrC会合体のピークの方が数倍程度大きかった。界面活性剤の検討を行い、0.05%N, N-dimethyldodecylamine N-oxide(LDAO)を含む緩衝液中で、単量体または2量体のFsrCのピーク強度が最高となり、排除体積に溶出されるFsrC会合体のピークが低く抑えられた。このLDAOミセル中でのFsrC単独およびFsrC-GBAP複合体の結晶化条件を探索し、主にPEGを沈澱剤とする複数の条件で結晶が得られた。一方、ペプチドフェロモンGBAPのFsrC結合部位を特定するため、種々のGBAPアナログを合成し、GBAPの構造機能相関研究を行った。GBAPのAIaスキャンニング変異から、環の全領域がGBAPアゴニスト活性に関与するが、N末端の突出領域の側鎖はアゴニスト活性に関与しないこと、環領域内のPhe7とTrp10が受容体結合と活性化に大きく寄与していることが示された。NMR分光法によるGBAPの立体構造解析から、GBAPの環領域(残基番号3-11)がヘアピン構造をとり、コンパクトに折り畳まれていることが明らかになった。Trp10の側鎖はコア構造に一部埋もれており、環領域のコンパクトな構造の安定化に寄与することが示された。一方Phe7の側鎖はコア構造から溶媒に向かって突き出しており、受容体認識に直接関与すると考えられた。
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