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2005 年度 実績報告書

超分子高精度X線結晶構造解析法

研究課題

研究課題/領域番号 16087206
研究機関大阪大学

研究代表者

月原 冨武  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)

研究分担者 田中 秀明  大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (40346169)
キーワード生体超分子 / 構造 / 機能 / X線結晶構造解析
研究概要

この研究の目標は、「1.6Å分解能で分子量が42万のウシ心筋のチトクロム酸化酵素の結晶中の水素原子位置を決定できる方法を確立する。」ことと「分子量1300万の蛋白質、核酸複合体であるボルトの3Å分解能X線結晶構造解析によって非水素原子の座標を決定する。」ことである。いずれの課題においても、良質の結晶の調製法、精度の高い回折実験法、構造解析法の開発が求められている。
良質の結晶の「調製法」ではアニーリング法、「精度の高い回折実験法」ではヘリウムパスによる低バックグラウンド化、「構造解析法」では巨大な球状ウイルスのab initio構造解析法(1)と蛋白質結晶中の補欠分子の絶対構造決定法(2)を確立した。前者の要旨は以下の通りである。
蛋白質結晶構造解析は重原子同型置換法か分子置換法によって行われる。これらとは全く異なる方法によって球状ウイルスの構造を決定する方法を確立した。この方法では、最初にウイルスを球として仮定して初期位相を決定する。ウイルスの対称性を利用した平均法によって電子密度を精密化すると共に、順次高分解能の反射の位相を決定する。この方法は従来、結晶構造が対称中心を持つ場合には適用できないとされていて、圧倒的多数のウイルス結晶の構造決定に適用不可能であった。本研究では、こうした対称中心を持つ場合においても有効な方法を確立した。
もう一つは、精密構造解析法の論文(2)である。チトクロム酸化酵素は活性中心として2分子のヘムA(ヘムa、ヘムa3)を持っている。ヘムAには長いヒドロキシファルネシル基が結合している。そのヒドロキル基は不斉炭素に結合しており、その絶対構造を1.8A分解能の回折データを使って、不斉炭素原子の周りの結合角に基づいて決定した。さらに、この方法では炭素原子の絶対構造決定が困難と思われていた2.8A分解能でも適用可能であることを示した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Ab initio crystal structure determination of spherical viruses that exhibit a centrosymmetric location in the unit cell.2005

    • 著者名/発表者名
      J.Taka
    • 雑誌名

      Acta Cryst. D61

      ページ: 1099-1106

  • [雑誌論文] Absolute configuration of the hydroxyfarnesylethyl group of haem A, determined by X-ray structural analysis of bovine heart cytochrome c oxidase using methods applicable at 2.8A resolution.2005

    • 著者名/発表者名
      E.Yamashita
    • 雑誌名

      Acta Cryst. D61

      ページ: 1373-1377

  • [雑誌論文] Structure of the Central Hub of Bacteriophage Mu Baseplate Determined by X-ray Crystallography of gp44.2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Kondou
    • 雑誌名

      J.Mol.Biol. 352

      ページ: 976-985

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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