研究課題/領域番号 |
16087206
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (00032277)
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研究分担者 |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (00294132)
田中 秀明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (40346169)
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キーワード | 生体超分子 / 構造 / 機能 / X線結晶構造解析 |
研究概要 |
巨大な超分子のX線結晶構造解析における解析精度の限界と分子量の限界を克服する方法を確立することを目指している。具体的には、「1.6Å分解能で分子量が42万のウシ心筋のチトクロム酸化酵素の結晶中の水素原子位置を決定できる方法を確立すること」、「分子量1300万の蛋白質、核酸複合体であるボルトの3Å分解能X線結晶構造解析によって非水素原子の座標を決定すること」、「分子量1億Daの生体超分子の迅速な構造精密化を可能にする方法の開発」である。 SPring-8の生体超分子構造解析ビームラインBL44XUの高精度化をはかり回折強度データの質の向上を達成した.その結果チトクロム酸化酵素の高精度結晶構造解析によって、完全酸化型結晶中の活性中心のFeとCuの間にある化学種が過酸化物であることを確定した.昨年度過酸化物であることを報告したが、その直後からClイオンの可能性が指摘された。50%の占有率でClイオンが2つの酸素の位置にあるとしても良かった。そこで酸素と50%占有率のClイオンを区別することができる波長でX線回折強度データの精密測定に測定して、異常散乱法によってClイオンでないことを確定した。この方法を、ギャップ結合チャネル及びExportin-5 : RanGTP : pre-miRNA複合体の構造決定にも適用して成功した。ギャップ結合チャネルでは隣り合う2つの細胞膜を貫通したままの構造を決めることができ、チャネルの開閉機構を提唱することができた。Exportin-5 : RanGTP : pre-miRNA複合体では、Exportin-5 : RanGTPが700種あるpre-miRNAを選択的に認識する仕組みを明らかにすることができた。
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