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2004 年度 実績報告書

二重殻ウイルスの構造形成と感染性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16087209
研究機関独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構

研究代表者

大村 敏博  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 室長 (20355499)

研究分担者 津田 新哉  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 主任研究官 (60355500)
一木 珠樹  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 中央農業総合研究センター・病害防除部, 主任研究官 (70355501)
キーワードイネ萎縮ウイルス / 構造タンパク質 / 非対象2量体 / バキュロウイルス発現 / 自己組織化 / 超分子
研究概要

二重殻ウイルスの一種であるイネ萎縮ウイルス(RDV)の内殻タンパク質P3は遺伝子発現系において、単独で内殻様粒子を形成した。また、P3タンパク質、外殻タンパク質P8及びRNA結合タンパク質P7を、同一細胞内で発現させたところ、ウイルス様粒子を形成した。.RNA結合タンパク質は本ウイルス様粒子の内部に配置されており、感染性を有するウイルス粒子と伺様な粒子内配置をしていた。
RDVの内殻粒子は60個の非対称2量体(P3AとP3B)により構成されていおり、P3BのN末端のP3Aへの挿入が内殻粒子の基本単位である2量体の形成に重要な役割を果たしていることが示唆されている。そこでP3タンパク質のN末端領域のウイルス粒子構築における役割を明らかにするため、N末端を欠失させた数種のP3タンパク質を発現させ、内殻様粒子の形成について調べた。その結果、N末端の2-10及び2-29のアミノ酸を欠朱させたP3タンパク質は内殻様粒子を形成したが、2-52の領域を欠失させたものでは形成しなかった。以上の結果からN末端の52アミノ酸から構成されるポリペプチドはRDVの内殻粒子の自己組織化に必須であることが明らかになった。MgCl_2処理において、純化RDV粒子と完全長のP3タンパク質から成る内殻粒子は2.6Mで破壊されたのに対し、2-10アミノ酸を欠失させたものは2.4Mで、2-29欠失させたものは更に層安定性が低く、2.3Mで破壊された。そこでこれらの結合エネルギーを計算したところ、RDVの内殻粒子の非対称2量体では207.3kcal/molであったのに対し、N末端の2-52アミノ酸を欠失させたものでは92.2kcal/molまで減少していた。以上の結果から、薄いタンパク質層である非対称2量体の形成は、ポリメラーゼやゲノムRNAを収納するための大きな空間を粒子内に作り上げるために必要であり、このような構造単位の形成はレオウイルスの粒子構築において重要な役割を果たすものと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] RNA-binding Domain of the key structural protein P7 for the Rice dwarf virus particle assembly2005

    • 著者名/発表者名
      Zhong, B
    • 雑誌名

      Acta Biochimica et Biophysica Sinica 37

      ページ: 55-60

  • [雑誌論文] Transcapsidation and the conserved interactions of two major structural proteins of a pair of phytoreoviruses confirm the mechanism of assembly of the outer capsid layer.2005

    • 著者名/発表者名
      Miyazaki, N.
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Biology 345

      ページ: 229-237

  • [雑誌論文] RNA-protein and protein-protein Interactions in particles of Rice dwarf virus : implications for viral assembly2004

    • 著者名/発表者名
      Zhong, B
    • 雑誌名

      Science China Ser.C 47

      ページ: 92-100

  • [雑誌論文] The Amino-terminal region of major capsid protein P3 is essential for selfiassembly of single-shelled core-like particles of Rice dwarf virus2004

    • 著者名/発表者名
      Hagiwara, K
    • 雑誌名

      Journal of Virology 78

      ページ: 3145-3149

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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