研究分担者 |
中田 節也 東京大学, 地震研究所, 教授 (60128056)
安田 敦 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70222354)
金子 隆之 東京大学, 地震研究所, 助教 (90221887)
前野 深 東京大学, 地震研究所, 助教 (20444078)
鎌田 桂子 神戸大学, 理学部, 准教授 (20192544)
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研究概要 |
平成19年度は前半までに得られた研究成果をイタリアで開催されたIUGG総会で発表,更に島原市で開催された国際シンポジウムCities on Volcanoes 5で領域内の他研究グループとともに本領域のセッションを設け,それまでの成果を発表した.更に,19年度夏に新たに掘削された遺跡部分の堆積物調査を行うとともに,遺跡外の地質調査に基づいて,遺跡を埋没させた472年噴火の噴火様式を解明することに力点を置いた.特に,平成18年度までの調査研究によって,472年の火砕流・火砕サージが外来岩片に富み,マグマ物質に乏しいという特徴を見いだしたため,このような特異な噴出物を発生した噴火のメカニズムを明らかにする事を重点課題とした.このため,山麓の火砕流堆積物から,本質岩片の定方位サンプルを統計学的に有意となる数を回収し,堆積物の定置温度を明らかにするための磁気測定を集中的に行った.11月までに得られた磁気測定結果より,火砕流には高温で定置したものと低温で定置したものとが存在することが分かったが,両者の噴出順序等に不明な点が多く、この解決が最優先課題となった.ところが,現地の地質に精通した研究協力者および古地磁気分析担当の研究分担者が本来業務により11月から3月の間は現地調査不能となった.このため,経費を繰り越して平成20年度にこの地域の調査および火砕流堆積物の本質岩片,マトリクス部分の岩石磁気的測定を行った.この結果,高温の定置温度を示す火砕流と低温の定置温度を示す火砕流の層序関係が明らかになりつつある. また,噴出物中のガラス包有物中の揮発性成分量を測定するために顕微ラマン分光システムを購入し,標準試料を用いて微小ガラスの含水量測定法を開発し,翌年度の本格的分析の準備作業を行った.
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