研究概要 |
1.多電極表面電位探査システムの開発 深さ10mを超える地下構造を3次元的に捕らえる物理探査手法として研究代表者らが開発した表面電位法は,地表面に高密度に配置した電極を用いて、地下に電流を流したときに生ずる表面電位を計測する。そこで,PCによりUSBを介して最大8,192本の電極を制御することが可能なシステムを設計し、試作した。このシステムで使用する抵抗率計には、米国Advanced Geosciences社製のSuperSting R8/IPを採用した。この抵抗率計は同時に8点の電位を測定できるので、探査効率を上げることができる。電極の正確な位置を測定する必要があるので、この測定にはGPS受信機を用いる。得られた表面電位から地下の抵抗率分布を推定する逆解析アルゴリズムでは、Grid計算機を用いて並列化をはかり、1CPUを用いた場合に比べ、計算時間を約1/4に削減することができた。 2.発掘遺構の3次元デジタル計測 イタリアのソンマベスビアーナで発掘が続けられているベスビオ山の噴火で埋没したローマ時代の別荘遺跡で、3次元レーザスキャナなどを用いて遺構の3次元デジタル記録を行った。 3.国内の火山噴火罹災地域の遺跡調査 AO3班「わが国の火山噴火罹災地における生活・文化環境の復元」グループと共同で、鹿児島県指宿市敷領遺跡での探査を行った。敷領遺跡は、開聞岳の噴火により埋まった古墳時代の遺跡で、地中レーダにより、約3,700m^2の範囲の探査を行った。
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