研究概要 |
「金融監督規制の国際調和と相互承認の研究」は合計6年間の研究プロジェクトで、2年目の今年は、弥永、木下、久保田が担当領域で論文を出版したほか、田澤、久保田が4月22日、29日に金融法中間ワークショップとして、国際取引法フォーラムおよび日本金融学会で学会報告する。また、研究成果の海外発信の一環として、久保田を編者、科研メンバーを筆者として英語の研究書(題名:Cyberlaw for Global E-Business : Finance, Payment, and Dispute Resolution, 2007年夏出版予定)を出版予定であり、既に米国の出版社Idea Group Inc.と出版契約を交わした。一方、「日本法の透明化」に直接資する金融法令・判例の翻訳についても、取引法研究と共同で「国際金融法コンポーネント」の充実を進め、判例・法令の英訳を相当数進めた。これに伴い、取引法研究との間で合同打合せを複数行った。 一方、金融法中間ワークショップに向けた実態調査として、田澤がEUでハーグ条約やUNIDROIT条約の、久保田がEU、米国、アジアでハーグ条約とバーゼルIIの資料収集やヒアリング調査を実施した。この間、日本国内規制の特例で匡際競争力強化を目指す沖縄特区(金融特区)の動向が「金融監督規制の国際調和」を考える参考になるため、沖縄でヒアリング調査を行い、県担当者(県庁主幹、名護市主査)を招いて早大で講演して頂き、3月には県主催の沖縄金融専門家会議にも出席した。 平成18年度は、4月に金融法中間ワークショップを済ませた後も、内外の金融規制法関係の文献調査および実態調査を継続するとともに、英語の研究書の執筆を進めて海外発信に努め、併せて取引法研究と協働し、可能な限り「国際金融法コンポーネント」の中に金融法に関する解説記事や主要学術論文の紹介などを加える方向で検討する。
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