研究概要 |
1. 本研究は,物品およびサービスに関するグローバルな企業間(B2B)取引を中心に,その法的規律(以下では,グローバルB2B取引法と呼ぶ)につき,日本における立法,判例,学説を体系化して英語によって世界に向けて情報発信するとともに、日本法の抱える問題点を析出し、具体的な提言を行うことを目的としている。 本年度は,本研究の最終年度でもあり、とくに本研究の成果を海外において発信することを中心に以下の研究を実施した。 (1) グローバルB2B取引法に関する重要判例および法令の英訳作業を昨年に引き続き行い,総計175件の判例をホームページで公表した。 (2) 日本法を外国に紹介するための体系的な解説として,契約法、海商法について概説(overview)を英文で作成し、ホームページで公表した。 (3) 日本法に関する情報発信を行うために,研究分担者が以下の通り、各国で開催されたシンポジウム、ワークショップに参加し、日本法について情報提供を行った。 (1) 日本の新保険法に関するセミナー(ドイツ、マックスプランク外国私法・国際私法研究所:小塚) (2) 日本の債権法改正に関するセミナー(フランス、アジア・東洋研究所:曽野、小塚) (3) 日本の債権法改正の動向に関する講演会(台湾大学:小塚) 2. 本研究は,その研究対象が物品取引B2C取引(消費者契約)班とも密接に関連することから,今年度もB2C取引班と共同して研究を実施した。具体的な実施内容は以下の通りである。 (1) 韓国比較私法学会・外国法研究分科委員会と共催で、「日韓『法の透明化ワークショップ』-日本からの発信」(2009年12月5日:西江大学(ソウル))を開催した。 (2) 特定領域研究総括班主催シンポジウム「さらなる日本法の透明化のために」(2009年11月29日開催:京王プラザ)において、B2C班と共同で研究成果報告を行った。 (3) 両班共同のホームページ上で、本研究の概要,運送取引,保険取引に関する重要判例、日本の契約法および海商法の概説を英文で公表した。
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