日本企業が海外で取引を行う場合、または外国企業が日本で取引を行う場合の法律関係を研究した。たとえば、日本企業が海外市場で社債(ユーロ債等)を発行する場合にはいずれの地の法が適用されるのか、外国企業が日本市場で社債を発行する場合には日本法を適用しなくてよいのか、という問題である。現在は、前者にも後者にも日本法は直接適用はされず、後者には業界の慣例として日本法に近い内容が契約で定められることになっている。このようなルールは従来の理論・実務の経緯から生まれたものであるが、前者では日本の金融業界の活躍の機会が狭められ、後者では日本の投資者の保護に問題がないわけではないことから、今後の改善が必要であると考えられる。
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