研究課題/領域番号 |
16091201
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
堀内 靖雄 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30272347)
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研究分担者 |
市川 熹 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80241933)
岡本 明 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (10341752)
西田 昌史 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80361442)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2006
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キーワード | 盲ろう者 / 触覚 / 指点字 / WWWブラウザ / テキストエディタ / 会議システム / 触覚計器 |
研究概要 |
盲ろう者は通訳者がいないと外部から取得できる情報が突然ゼロとなってしまい、人や障害物に接触する、あるいは、接触されるまでその存在にすら気付くことができない。また、電話、手紙等の情報通信手段や新聞、WWWなどの情報獲得・発信手段も通訳者を介してしか利用することができない。そこで本研究では以下の二点に焦点を絞り、盲ろう者をとりまく統合的情報通信環境の実現を最終目標とした基礎研究を行なった。 (1)日常生活の支援研究:盲ろう者に対し、周囲状況(周囲の雰囲気、人の存在、障害物の有無、光など)を触覚で伝えるための認知特性の解明および時計等日常生活で必要不可欠な計器を触覚で読み取る要素技術の検討を行なった。まずはじめに、盲ろうの方々の日常生活におけるニーズを知るため、盲ろう関係者および有識者への面談、文献調査を行ない、また、市販の触覚計器を購入・借用し、操作性調査を行なった。その後、マイクから拾った対話相手の発声を振動として伝達する装置を開発し、その装置を盲ろうの方に付けていただき、対話実験を実施した。通訳者を介した盲ろう者と健常者の対話過程において、盲ろう者の身体的な動き、話者交替、および対話の構造に変化が生じ「振動装置を用いた対話」の学習が行われる可能性が示された。 (2)情報通信の支援研究(触覚による情報通信環境と情報獲得・発信環境の実現):盲ろう者が他者(健常者および障害者)と実時間で会話を行なえる情報通信環境およびWWWなどによる情報獲得・情報発信環境の検討を行なった。盲ろう者に対する情報通信支援技術に利用しやすい指点字による通信に着目し、まずはじめに、オフラインの情報通信機器として、指点字WWWブラウザと指点字エディタの開発を行なった。次に、オンラインの情報通信機器として、健常者と盲ろう者が一緒に会議を行なえる指点字会議システムを開発した。その際、発言権により会話の流れを制御することにより、盲ろう者と健常者が平等に発言することが可能となった。健常者による擬似実験および盲ろう者による評価実験を通して、会議がスムーズに進行し、本手法では従来の手法に比べて、盲ろう者が話題から取り残されることがなくなったことを確認した。
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