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2005 年度 実績報告書

認知的視点から見た高齢者にとっての使いやすさ:エラー反復現象を中心として

研究課題

研究課題/領域番号 16091211
研究機関法政大学

研究代表者

原田 悦子  法政大学, 社会学部, 教授 (90217498)

キーワード認知的高齢化 / エラー反復 / 二重課題 / タスクスイッチング / 刺激顕在性 / インタフェースデザイン / エラー分析 / 人-人工物間相互作用
研究概要

高齢者ユーザがIT機器利用時に見せるエラー反復現象のメカニズムを明らかにし,予防するためのインタフェースデザイン・ガイドラインを明らかにするため,漢字選択課題(文中カタカナ部分に該当する漢字を4選択肢から選択する課題)を用いた心理学実験を行った.その結果,
1)通常の漢字選択課題では,高齢層であってもエラー反復は示されない
2)4選択肢の内の二つを高明度色(燈色),残り二つを低明度(灰色)として刺激顕在性を高め,また空間的配置をランダム化すると,若年層(大学生)であっても若干のエラー反復が観察される,
3)上記2の条件下で,大学生に二重課題(1桁数字の遅延追唱課題を実施)を課すと,エラー反復が安定的に観察された.
4)高齢層221名に実施したAIST版認知的機能検査により,制御系注意機能課題,および選択的注意機能課題の成績が選択的に低い群といずれも高い群の3群を抽出したが,上記2の条件下でのエラー反復現象は生じず,群間差もみられなかった.
5)3-4の結果から,注意機能低下全体は関与せず,また刺激顕在性など外的刺激要因も副次的な影響を持つに過ぎず,本課題の複雑性/困難度がエラー反復の主原因ではないかと考えられ,(a)刺激文にはあてはまらない同音漢字を選択する『誤漢字選択課題』条件,ならびに(b)正/誤の漢字選択課題をプロンプト提示で切り替えるタスクスイッチング条件下で,大学生対象の実験を行った処,タスクスイッチング条件でのみエラー反復が安定的に観察された.
以上から,エラー反復現象は,本課題の実施が何らかの二重課題条件下に置かれた場合に発生すると考えられ,IT機器のインタフェースデザインが,高齢者にとって課題の間接性が高いと認識された場合に発生しているのではないかと考えられる.次年度はさらに,高齢者を対象としてこの仮説を検証していく予定である.

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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