研究分担者 |
室田 一雄 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (50134466)
今井 浩 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (80183010)
松井 知己 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (30270888)
岩田 覚 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (00263161)
大石 泰章 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (80272392)
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研究概要 |
本研究の目的は,今まで連続計算の分野と離散計算の分野に分かれてそれぞれ独立になされてきたアルゴリズム研究の知見を融合し,両者の手法の長所を補完し合うことによって,諸計算のロバスト性を確保するための計算原理を開拓することである.本年度は,この目的に向かって,それぞれの計算分野で連続と離散を融合した計算法を追求した.最適化の分野では,連続世界の凸性の長所を離散の世界でも生かせることを目的として,「離散凸」の概念を提案し,その理論体系化を試みた.その結果,連続の世界で成り立つ双対定理が離散の世界でも形を変えて成り立つことを発見した.制御の分野では,物理法則の連続性をセンサーの離散性とスムーズにつなぐ方法を構成した.幾何計算の分野では,対象の連続性とそのディジタル近似から得られるトポロジーの離散性を融合することによって,数値誤差が発生しても破綻しないロバストアルゴリズムの構成原理を開発した.また,流れのある空間での最適航路を求めるために,情報の伝達方向という離散性に逆らわない計算法を構成することによって,ロバストな計算法を確立できた.確率計算の分野では,対象を巧妙な離散マルコフ過程としてモデル化することによって,定常状態のサンプリングを著しく高速化することに成功した.これらの実績を通して,連続世界と離散世界の融合によるアルゴリズムのロバスト化原理を追求する出発点が得られた.
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