研究分担者 |
軽野 義行 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (80252542)
宇野 裕之 大阪府立大学, 理学系研究科, 講師 (60244670)
趙 亮 京都大学, 情報学研究科, 講師 (90344902)
山崎 浩一 群馬大学, 工学研究科, 准教授 (00246662)
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研究概要 |
本研究では,グラフ構造を有する離散最適化問題に対する近似アルゴリズムの開発を行った.取り上げた問題は,グラフ連結度問題,グラフ描画問題,図形パッキング問題,ファイアウォール高速化のためのデータ構造,最長路問題,グラフのランキング問題,グラフクラスとグラフパラメータ,スケジューリング問題,食品袋詰め問題などであり,基礎から応用に直結するものまで多岐に渡る.当該年度の成果の具体例として以下を挙げる. (1)重み付きグラフにおいて,最小k分割の2倍近似解を求める計算手間の削減に成功した.これは,グラフに限らず,一般の対称劣モジュラ関数に対しても,extreme stesが最小次数順序という節点の順序づけによって効率よく計算できるという成果とも密接に関連している. (2)従来は2節点間に対して定義されていた枝連結度を節点集合族に対して拡張し,グラフのコスト最小集合連結グラフを求める定式化を提案した.本研究では,シュタイナー森の詰め込み定理を集合連結グラフの詰め込みに一般化することで,2α近似アルゴリズムを導いた.ここでαは,与えられた節点集合族から得られる定数である. その他,最長路問題,グラフのランキング問題,スケジューリング問題などについても新たな知見を積み重ねることができた.さらに,これまで得られた種々の結果から,アルゴリズムがうまく設計されているメカニズムを詳細に検討し,図形パッキング問題や食品袋詰め問題などでは,アルゴリズムの一般化や新しいモデルへの拡張が可能となった.
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