研究課題/領域番号 |
16092215
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 大雄 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (50283487)
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研究分担者 |
岩間 一雄 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50131272)
増澤 利光 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)
宮崎 修一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教授 (00303884)
堀山 貴史 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60314530)
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キーワード | グラフアルゴリズム / スパニングツリー / 平均ストレッチ / クリーク発見問題 / 単位円盤グラフ / 供給点配置問題 / 耐故障性 / 自己安定アルゴリズム |
研究概要 |
グラフは接続関係を表現する数学モデルとして古くから盛んに研究されている。特に近年では、計算機やネットワーク上の問題をグラフ問題として定式化して解くという応用が盛んになっている。本研究では、このような問題に対する入力を現実的なものに絞ることにより、より効率の良いアルゴリズムを設計することを目的としている。本年度の主な結果は、以下の通りである。 (1)ネットワーク上の物理的な閉路はルーティングテーブルを作成する上で障害となるが、閉路の存在しないスパニングツリーを経路とすることでこの問題を回避できる。その性能評価の指標となる平均ストレッチを取り扱い、いくつかのグラフについて上限が定数となる構成法を示した。(2)ネットワーク上の孤立した2部クリークを見つけることは、関連したWEBページ群を見つけることに関連する。本研究では、この問題を線形時間で解くアルゴリズムを開発した。(3)単位円盤グラフは平面上で大きさの等しい円盤よってできる交差グラフであり、通信可能領域が等しい無線端末で構成されるネットワークと対応がある。単位円盤グラフ上の最大独立集合問題を取り扱い、多項式時間近似スキーム(PTAS)を示した。(4)限られた個数のサーバをネットワーク上に配置し、出来るだけ多くのクライアントをサーバが耐故障性の意味においてカバーする、最大被覆供給点配置問題を取り扱った。入力を現実的なものに限定した場合の多項式時間アルゴリズムを構築した。また、本問題を一般化した2つの問題がNP完全であることを示した。(5)自己安定アルゴリズムとは、任意のネットワーク状況から開始したとしても与えられた状況に到達するアルゴリズムである。木ネットワーク中の各プロセスに負荷が与えられたときに局所情報のみで任意のプロセス間の負荷の差が高々1になる自己安定アルゴリズムを提案した。
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