研究概要 |
社会システムや産業活動などに関連して現れる生産計画,環境計画,スケジューリング,最適投資などを始めとする重要な問題の多くは,プール理論,あるいは,擬ブール理論に基づく離散システム上の問題として捉えることができる. 本研究では,これまで申請者が培ってきた(擬)ブール理論,劣モジュラ関数による構造解析手法を用いて,離散システムの有用な構造的性質の抽出する.次に,その性質を利用することで,計算限界を明らかにすること(高速アルゴリズムの開発,および,計算量下界の提示)を試みる.このことにより,計算科学分野の基礎理論の構築を試みる. 本年度は,充足可能性判定問題の最近の結果について取りまとめを行った.また,一般化フロー問題に関連して現れる、ポリベーシックな多面体の多面体的性質をさらに理解することに成功した[Fujishige, Makino, Takabatake, Kashiwabara, Polybasic polyhedra: Structure of polyhedra with edge vectors of support size at most 2, Discrete Mathematics 208].また,マルチメヂィアネットワークなどのミラーサーバ配置問題を一般化させたフローに基づく施設配置問題に対して,一般の無向ネットワークでは強NP困難であり,かつ,近似困難であることを示した.また,食欲法に基づく最適な近似アルゴリズム開発に成功した[坂下,牧野,藤重,無向ネットワーク中のソース配置問題に対する近似アルゴリズム,FIT2004].
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