研究概要 |
省スペースなデータ構造について研究した.まず,文書検索において文書の重要度を定義する際に用いられるtf*idfスコアを高速に計算する省スペースなデータ構造を開発した。従来手法では特定の単語に対してしかスコアを計算することができなかったが,提案データ構造では任意の文字列に対するスコアを高速に計算できる.またデータ構造のサイズも文書データの約3倍以内と非常に小さい.このデータ構造は任意の単語が与えられたときにそれを含む文書を高速に列挙することもできる.次に,文書集合からの高速検索を実現するデータ構造で,文書の追加・削除も高速に行え,データ構造のサイズも小さいものを提案した。さらに圧縮接尾辞配列を構築する省スペースなアルゴリズムを開発した. 無線アドホックネットワークにおいて,ある端末から全体に情報を送る際のエネルギー消費を最小化するアルゴリズムを開発した.送信端末は受信端末の総数は知っているがそれぞれの受信端末までの距離は分からない場合で,受信端末は情報を受信したら返事を送るときにそのエネルギー消費の総量を最小化する.この場合にどのような送信アルゴリズムを用いたとしても受信端末までの距離が既知の場合のアルゴリズムよりもエネルギー消費がある割合以上で多くなることを示し(競合比解析),さらにその競合比を常に達成できる送信アルゴリズムを開発した. DNAが形態変化を起こすには形態から決まるエネルギーがひつようである.DNAの2つの形態が与えられたときにそれらの間で構造が変化するために必要なエネルギーを求める高速アルゴリズムを開発した,このアルゴリズムは局所探索に基づいており,局所解の発見には貧欲法を用いている多くの問題で最適解が得られ,速度は従来法より高速であった.
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