研究課題/領域番号 |
16092227
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
宇野 毅明 国立情報学研究所, 情報学基礎研究系, 助教授 (00302977)
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研究分担者 |
中野 眞一 群馬大学, 工学部, 教授 (30227855)
松井 泰子 東海大学, 理学部情報数理学科, 講師 (10264582)
岡本 吉央 豊橋技術科学大学, 工学部情報工学系, 助手 (00402660)
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キーワード | 列挙 / アルゴリズム / 数え上げ / 頻出集合 / コーダルグラフ / 計算量 / 多項式時間 / 実装 |
研究概要 |
本年度は、前年度の研究を引き継ぎ、より実践的な列挙アルゴリズムを理論的な見地から開発し、各種の列挙問題に対して、理論的側面から得られる新たな知見を得た。まず、ラベル付きの木を小さいものから順に生成するアルゴリズムを得た。このアルゴリズムは最適であり、既存の研究では得られていないものである。また、データマイニングの大きな問題であるグラフマイニングに対して応用があり、この問題に対する効率の良いアルゴリズムを与えるとともに、問題の構造に対する新たな理論的な知見を与えることに成功した。このアルゴリズムで開発した手法は、他の列挙対象に対しても有効である。これを適用し、2端子直並列グラフの列挙問題、集合の分割を列挙する問題、コーダル部分グラフを列挙する問題に対して、非常に効率が良く、かつ構造がシンプルなアルゴリズムを開発することに成功した。既存の手法は込み入った手法を用いており、アルゴリズム理論的な見地から解法の構築手法をきれいに系統立てることに成功したといってよいだろう。 データマイニング分野では、意味的に等しいものを同一視し、その中の代表のみを列挙する、という問題が、無意味で大量なデータの出力を回避する上で必須の概念となっている。ラベル付木に対してもこのような概念は存在する。今年度の研究では、与えられたグラフデータベースに含まれる、このような代表木のみを効率良く列挙するアルゴリズムも開発した。これは、初めての多項式アルゴリズムである。 同様に、列挙的な手法を応用し、巡回セールスマン問題に対しても、内点が少ない場合に効率良く動くアルゴリズムを構築した。これは意味的に必要なもののみを列挙することで効率を上げた成果である。
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