研究課題/領域番号 |
16100001
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
富田 眞治 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40026323)
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研究分担者 |
嶋田 創 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60377851)
黒田 知宏 京都大学, 医学研究科, 講師 (10304156)
森 眞一郎 福井大学, 工学研究科, 教授 (20243058)
中尾 恵 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (10362526)
黒田 嘉宏 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (30402837)
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キーワード | 体感型シミュレーション / 実時間シミュレーション / PCクラスタ / 可視化 / 並列処理 / 手術シミュレーション / 剥離シミュレーション / 触診 |
研究概要 |
1.体感型シミュレーションサーバの研究 数値計算処理の高速化を目的として、平成16、17年度に作成した体感型シミュレーションサーバ(Scube)向けに開発した大規模行列転置アルゴリズムを実装し性能評価を行った結果、ネットワークを小規模スイッチの多段接続網で構成した場合と比べて約5倍の性能向上が得られることを確認した。また、インタラクティブな遠隔操作フレームワークのプロトタイプ実装を行った。 2.操作の連続性を考慮した実時間FEM切開シミュレーション 要素分割をおこなわずに幾何形状と物理モデルの更新をおこなう手法の開発により、計算時間を増加させることなくFEMに基づく切開の表現が実時間で可能となった。実物の膜状弾性体と提案モデルの切開形状の比較実験により、提案モデルが実物体に近い切開形状を表現できることを確かめた。さらに、切開動作の連続性を考慮した高速化手法として、SMW方程式を用いた逆剛性マトリクスの高速計算法、ならびに、残差拡散を抑制するCG法ベースの反復解法について検討を行い、約1600ノードの大動脈弓データに対する実時間処理の可能性を示した。 3.VRシミュレーション高速化のための投機実行手法の開発 単体PCでの実行を想定して設計された臓器剥離モデルを体感型シミュレーションサーバ(Scube)上に実装するための再設計を行うとともに、投機実行を可能とするミドルウェアを設計し、サーバ部とクライアント部をつなぐ通信部の基礎を実装した。 4.多指力覚提示による圧排シミュレータ構築 複数点接触時の反力計算による多指に対する力覚提示と、FEM計算に基づく臓器表面の圧分布の表示が可能な圧排シミュレータを構築した。訓練実験の結果、教示すべき圧力を色分布表示する手法が訓練初期には特に効果的であることがわかった。
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