研究分担者 |
水内 郁夫 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 講師 (60359651)
岡田 慧 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特任講師 (70359652)
吉海 智晃 東京大学, 大学院・情報学環学際情報学府, 助教 (60436558)
花井 亮 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特任助教 (10521255)
山崎 公俊 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特任助教 (00521254)
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研究概要 |
本研究によりこれまで開発してきている知能ロボットカーネル統合システム上で,感覚,記憶,判断,動作系の各機能モジュールの統合による対人行動実験を行い,カーネルモジュールの評価と強化を行った。 a)空間記憶と視聴覚注意の統合による生活行動の観察認識と支援行動生成 生活空間内で振舞う人間の行動理解を目的とし人の存在認識と人が扱う対象物認識を統合した。複数視覚特徴と空間記憶を用いた汎用,頑強な物体認識システムを構築し,この空間記憶モデルと実時間視聴覚注意情報の統合に基づいた人間の生活行動認識システムを開発し,等身大ロボットによる家庭空間内での支援行動を実現した。 b)全身関節負荷情報を用いた人からの身体直接働きかけ動作の認識とオンサイト動作教示 人とロボットが密着している場合,ロボットの全身の関節負荷情報に基づいて人からロボット身体への直接的な働きかけを認識するモジュールを開発した。人が直接ロボットの身体を操作,誘導することで,日常生活支援タスクにおける基本動作をその場で提示するオンサイト教示システムを実現した。 c)対象物を介した人からの働きかけに応じたロボットの身構え行動の学習獲得 ロボットが環境,対象物,人などと接触している状況において全身のバランスを保持するための制御手法として,ZMP外乱予見制御に基づいた全身身構え行動の制御手法を構築した。動力学シミュレータを知能ロボットカーネルに統合することで外乱予見に必要な環境の動力学的な将来予測を実現し,さらに外乱が未知の場合においてもZMP補償量の学習的な獲得が可能なことを確認し,人とロボットが物体を介して接続関係にある場合において,人からの働きかけに応じた身構え行動を実現した。 d)車椅子介護支援行動における対人感覚行動統合実験 等身大ヒューマノイドによる車椅子介護支援行動を題材にして,車椅子に近づいてくる人間の認識行動(人との距離が離れている場合),車椅子に座っている人間の指示理解(人と密着している場合),全身を用いた車椅子押し動作(人と対象物を介して層が作用する場合)のそれぞれの場面おける感覚行動統合実験を行い,これらの場面が連続的に変化する状況において,共通するカーネル機能の整理と,各カーネルの統合原理の検討を行った。
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