研究分担者 |
松木 英敏 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (70134020)
佐藤 文博 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60323060)
渡邊 高志 東北大学, 情報シナジー機構, 助教授 (90250696)
関 和則 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20206618)
高橋 隆行 福島大学, 共生システム理工学群, 教授 (70197151)
|
研究概要 |
今年度は,前年度の刺激素子実験結果を基に体外励磁コイルの検討を行った.体外から平面コイルを用いて励磁する場合,その励磁範囲は体内に埋め込まれた二次側素子に送られる電力・信号に大きく影響してくる.できる限り励磁範囲を拡大することができれば,二次側素子に安定して電力・信号を送ることが可能になる.そこで,コイルの励磁範囲の拡大を目的として,外径を一定に保ったまま内径を変化させた電力用平面コイルを実際に製作し,コイルの磁界分布の比較を行った.平面コイルを計三つ製作し,コイル形状が外径90[mm],厚さ2[mm]一定で内径10[mm](巻き数20[turn]),内径30[mm](15[turn]),内径50[mm](10[turn])とした.それぞれのコイルに周波数100[kHz]において電流を4[A]流し,コイルで発生した磁界の磁束密度を測定した. この結果,内径10[mm]のコイルが若干だが一番磁界範囲の広い効果を得た.そこで,この電力用コイルと同形状で信号用コイル(内径10[mm],巻き数50[turn])を作成し,これらのコイルを用いて実際に二次側コイルに電力用磁場(100[kHz])と信号用磁場(1[MHz])を同時伝送した。送られた電力と信号を刺激生成回路を通して出力電圧を測定した.また,一次側と二次側のコイル間のgapを10[mm]一定として測定を行った.今回製作コイルの性能を確認するため,比較対象用電力コイルとして,内径38[mm],外形90[mm],厚さ7[mm],巻き数30[turn],三層のものを用いた.なお,信号用コイルの形状は内径38[mm],外径85[mm],厚さ1[mm],巻き数20[turn],一層である. 実験の結果,今回製作したコイルの伝送範囲(刺激電圧として必要とされている10[V]以上の出力がある範囲)は以前よりも拡大したことを確認することができた.今後は完全埋込素子を用いる場合の送受電コイル仕様策定と,励磁範囲拡大の検討を引き続き行って行く予定である.
|