研究課題
本研究の目的は、これまで培ってきたナノマシン技術、位相干渉計測を含む高分解能透過電子顕微鏡技術等をナノハンド・ナノアイ・システムへとさらに発展させ、汎用の技術として確立することである。すなわち、ナノギャップを持つ対向ナノプローブやそれと一体化したマイクロアクチュエータなどのデバイス作製技術、及び位相差検出透過型電子顕微鏡による「その場」観察技術を融合して、DNA等の生体分子、ナノ粒子、人工合成した巨大分子のようなナノ物体の自由なマニピュレーション技術と様々の物性評価技術を提供することを目標とする。1.ナノギャップの製作対向針先の問隔が10nm級のデバイスを作るためのプロセスを検討した。ドライエッチングとウェットエッチングではギャップ長の制御が難しかった。集束イオンビーム(FIB)を用いて加工と形状観察を同時に行うことで、20〜50nmのギャップを作製した。2.DNA分子束の電気特性評価ギャップ長を15nm,150nm,2μmと変えた3種のデバイスで、DNA分子を捕えた。百〜千分子の束について抵抗測定を行ったところ、15nmと150nmについては導電性があったが、2μmでは絶縁性であった。3.DNA1分子の捕獲幅600nm、高さ4μm、長さ40μmのチャネル中に微小な水圧による流れを作り、稀釈したDNA溶液を用いて、1分子が分かれて流れるようにした。出口に電極対を設置し、流出するDNA分子を、高周波電圧の印加で捕獲した。4.ナノワイヤの引張試験と透過電子顕微鏡(TEM)によるその場観察金の対向針先を1nm以下に近付け、その間のトンネル電流を測った。1から2nAの電流が流れた後、金原子の移動によりギャップが自ら橋絡した。30〜60分後に橋絡部の太さは20nm程度となったので、アクチュエータにより引張り、金ナノワイヤを形成、伸張、破断する様子をTEMで実時間観測した。
すべて 2005 2004
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