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2008 年度 実績報告書

チベット文化圏における言語基層の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16102001
研究機関国立民族学博物館

研究代表者

長野 泰彦  国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (50142013)

研究分担者 菊澤 律子  国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 准教授 (90272616)
キーワードチベット・ビルマ諸語 / シャンシュン語 / 言語基層 / 歴史言語学
研究概要

(1)チベット・ビルマ系未記述言語の補遺的調査研究については、長野がギャロン語、池田が木雅語、林がチノ語、高橋がキナウル語の補遺調査を行った。記述の精緻化を実現できた。
(2)Pre-Tibetanの再構成とチベット語文語成立過程を前提とした古チベット語の分析については、チベット伝統文法学のテキストの収集・整理・解析を立川・津曲が行い、データベース化を行った。
(3)古シャンシュン語文法研究については、フランス国立文書館が蔵する敦煌出土チベット文献VP755につき文法解析を進め、動詞形態を中心とするいくつかの文法的特徴を新たに抽出した。また、今まで分析してきた5種の古シャンシュン語文献の統合的KWIC索引の整備に着手した。
(4)新シャンシュン語については、各研究者が蓄積した現地での記述調査研究の結果と前年度刊行したシャンシュン語・ポン教用語語彙集記載の語彙との同定を行った。
(5)11世紀以降再構成された新シャンシュン語のコンコーダンス作成のためのデータを、フランス・ブローのポン教研究センターおよびカトマンズのティテン・ノルブツェ寺との協働で集積した。
(6)「言語基層」にかかる歴史言語学方法論の批判的検討を行うシンポジウムを2008年9月に開催し、各研究者の解析結果とその歴史的解釈において惹起する基層に関する考え方と歴史言語学上の一般的方法論にかかる具体的課題を議論するとともに、「言語基層」を歴史言語学方法論の脈絡でいかに位置づけるべきかについて、批判的検討を行った。成果はSenri Ethnological Studies No.75として刊行される。
(7)本研究の研究成果を国際研究集会において発表し、批判を仰ぐため、主として若手の連携研究者・研究協力者を、国際シナ・チベット言語学会をはじめとする国際研究集会に派遣した。
(8)(6)の成果のほか、チベット語方言記述資料等を2冊の報告書としてまとめ、公刊した。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (6件) 図書 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Deuxremarques a propos du developpement du ra-btags en tibetainparle2009

    • 著者名/発表者名
      SUZUKI, Hiroyuki
    • 雑誌名

      Revue d'etudetibetaine 16

      ページ: 75-82

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tibetan dialects spoken in Sharkhog and Khodpokhog2009

    • 著者名/発表者名
      SUZUKI, Hiroyuki
    • 雑誌名

      EAST and WEST 59(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of Animacy on Existential Sentences in nDrapa2008

    • 著者名/発表者名
      SHIRAI, Satoko
    • 雑誌名

      言語研究 134

      ページ: 1-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nouveau regard sur les dialectestibetains a l'estd' Aba : phonetiqueet classification du dialecte de Sharkhog [Songpan-Jiuzhaigou]2008

    • 著者名/発表者名
      SUZUKI, Hiroyuki
    • 雑誌名

      Linguistics in Tibeto-Burman Area 31.1

      ページ: 85-108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ヒャルチベット語九寨溝・玉瓦[gZhungwa]方言の音声分析2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木博之
    • 雑誌名

      アジア・アフリカの言語と言語学 第3号

      ページ: 135-168

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ギャロン地域のカムチベット語・丹巴県蒲角頂[Rongbrag]方言の音声分析と語彙2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木博之
    • 雑誌名

      国立民族学博物館研究報告 33巻1号

      ページ: 39-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] チベット語における「心」「太陽」「月」の方言地理学的分析------“香格里拉"と semskyinyizla の対応に関連して------2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木博之
    • 雑誌名

      京都大学言語学研究 第27号

      ページ: 3-48

    • 査読あり
  • [学会発表] Telicity and directional prefixes in nDrapa2008

    • 著者名/発表者名
      SHIRAI, Satoko
    • 学会等名
      The Workshop on Tibeto-Burman Languages of Sichuan
    • 発表場所
      Taipei : AcademiaSinica, China(Taiwan)
    • 年月日
      2008-11-22
  • [学会発表] Existential verbs in verb serializations in nDrapa2008

    • 著者名/発表者名
      SHIRAI, Satoko
    • 学会等名
      The 41st International Conference on Sino-Tibetan Languages and Linguistics
    • 発表場所
      London : The School of Oriental and African Studies, The University of London, U.K.
    • 年月日
      2008-09-19
  • [学会発表] Copula in YouleJino2008

    • 著者名/発表者名
      HAYASHI, Norihiko
    • 学会等名
      The 41st International Conference on Sino-Tibetan Languages and Linguistics
    • 発表場所
      The School of Oriental and African Studies, The University of London, U.K.
    • 年月日
      2008-09-18
  • [学会発表] Semantic Gradation in YouleJino Subordinators2008

    • 著者名/発表者名
      HAYASHI, Norihiko
    • 学会等名
      The 14th Himalayan Languages Symposium
    • 発表場所
      University of Goteborg, Sweden
    • 年月日
      2008-08-22
  • [学会発表] Development of the affricate series in Shangri-La Tibetan2008

    • 著者名/発表者名
      SUZUKI, Hiroyuki
    • 学会等名
      14th Himalayan Languages Symposium
    • 発表場所
      University of Goteborg, Sweden
    • 年月日
      2008-08-21
  • [学会発表] Tibetan dialects spoken in Sharkhog and Khodpokhog2008

    • 著者名/発表者名
      SUZUKI, Hiroyuki
    • 学会等名
      International Conference on the Bon Religion
    • 発表場所
      ShentenDargye Ling, Blou, France
    • 年月日
      2008-06-24
  • [図書] A Lexicon of the rGyalrongbTsanlha Dialect2009

    • 著者名/発表者名
      MariellePrins, Yasuhiko Nagano, eds.
    • 総ページ数
      744
    • 出版者
      National Museum of Ethnology
  • [図書] Issues in Tibeto-Burman Historical Linguistics2009

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiko Nagano, ed.
    • 出版者
      National Museum of Ethnology(印刷中)
  • [図書] 『チベット文化圏における言語基層の解明』Vol.22009

    • 著者名/発表者名
      長野泰彦(編)
    • 総ページ数
      470
    • 出版者
      国立民族学博物館
  • [図書] 『チベット文化圏における言語基層の解明』Vol.32009

    • 著者名/発表者名
      長野泰彦(編)
    • 総ページ数
      214
    • 出版者
      国立民族学博物館
  • [図書] チノ語文法(悠楽方言)の記述研究2009

    • 著者名/発表者名
      林範彦
    • 総ページ数
      217
    • 出版者
      神戸市外国語大学外国学研究所
  • [備考] 国立民族学博物館ホームページ

    • URL

      http://www.minpaku.ac.jp/research/sr/16102001.html

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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