研究課題
本年度は以下の研究を行った。1.溶液試料マウントを用いたミオグロビン溶液の軟X線吸収測定昨年度超純水の送液による軟X線吸収実験を行った装置に改良を加え、ミオグロビン溶液の送液による軟X線吸収実験を行った。また、膜破損によるビームライン光学装置の損傷等を回避するため、Si3N4薄膜の酸、アルカリなどの種々の溶液に対する耐性を調査し、一方で測定チャンバーには昨年度試作した緊急作動ポンプ、ダイアフラム、冷却トラップの改良版を設置、動作試験を行った。最終的に送液による超純水及びミオグロビン溶液の軟X線吸収測定を簡便に行うことができるようになった。特にミオグロビンはヘム核にCO分子が吸着した場合と水分子が吸着した場合(メト)型で吸収スペクトルが従来期待されていたような大きな変化を示さないことがわかった。2.溶液試料急速冷凍システムの製作昨年度設計を行った溶液試料急速冷凍システムの発注、製作を行い、液体ヘリウムによるコールドヘッドの10Kまでの冷却試験をおこなった。次にコールドヘッドに内蔵される試料ディスクの回転機構、位置調整機構の試験を40Kまでの低温下で行った。この試験の結果を元に現在改良を進めている。3.軟X線発光分光器の発注、製作、調整、固体試料によるテスト実験昨年度設計した斜入射平面結像型の軟X線発光分光器を発注・製作した。分光器の調整は分光器全体の高さ調整のみで容易に行うことが出来るようになった。エネルギー分解能は光学シミュレーションにより最大でE/ΔE=3000が見込まれる。固体試料(SiO2)のテスト実験では分解能1600E/ΔEの到達を確認した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (11件)
Phys.Rev.B 73
ページ: 045336-045339
Jpn.J.Appl.Phys. 44
ページ: 285-286
Physics of the Solid State 47
ページ: 754-757
Journal of Alloys and Compounds 395
ページ: 240-246
Phys.Rev.B 71
ページ: 121202(R)-121205(R)
Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena 144-147
ページ: 561-564
ページ: L1147-L1149
J.Phys.:Condens.Matter 17
ページ: 7023-7028
Solid State Ionics 176
ページ: 2435-2438
Phys.Rev.Lett. 95
ページ: 246402-246405
ページ: L1491-L1493