研究分担者 |
田中 健太郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40281589)
平岡 秀一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (10322538)
加藤 立久 城西大学, 理学部, 教授 (80175702)
木村 榮一 広島大学, 名誉教授 (30034010)
田代 省平 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (80420230)
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研究概要 |
本研究は,金属イオンの時空間配列を精密にプログラムする生体高分子系および完全人工系多座配位子を用いて,ナノーメゾスコピックスケールの集積型金属錯体をデザイン,合成し,金属配列の制御および金属錯体の動的機能構築を行うことを目的とした。具体的には,生体高分子をモチーフとした,一次元同種,異種金属クラスターと中空構造をもつ積層型ナノチューブ,完全人工系多座配位子を用いる分子運動素子と分子カプセルの構築を行った。詳細は以下のとおりである。 (1)DNAの水素結合型塩基対を金属錯体型塩基対に置換することにより,異種金属イオンを二重らせん軸上でプログラムする方法を確立した。今年度は,Fe(III)錯体を2-4個配列化する人工DNA三重鎖の構築に成功した。現在,詳細な構造解析を行っている。 (2)人工ジペプチドを用いて,環状四核Ni(II)錯体を構築した。X線構造解析より,この四核錯体が一つのホールと二つの溝を形成し,水やアニオン分子を直線上に包摂配列することがわかった。結晶中では,ホールが水とアニオン分子のチャネルを形成している。 (3)当研究室で開発した分子ボールベアリングを基本骨格とした,ローター,トランスミッター,ローラーの構築に成功した。同一分子内の2つのボールベアリングの回転運動は,リンク部分を通して同期していることが種々の実験から示唆された。 (4)6個の遷移金属イオンと8枚の有機ディスク状配位子からなる,直径数nmサイズの球状分子カプセルを構築し,さらに内部空間を化学的に修飾する方法を確立した。
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