研究課題
平成19年度は、以下の研究成果を得た。1)液液界面において、ビリルビンと血清アルブミンが会合体を生成すること、その際ビリルビンのキラル異性がシフトし、会合体が光学活性を示すことを、遠心液膜円二色法、および界面顕微ラマン散乱測定法により明らかにした。この結果は、生体分子のタンパク結合性がソフトな疎水界面で促進されることを意味しており、生体内反応における界面の重要性を示している。2)遠心液膜セル内の液液界面に生成するプロトン付加型テトラフェニルポルフィンの会合体は、セルの回転方向により見かけのキラリティーが反転することを見出した。この結果は、ずり応力の作用するソフトな界面が、キラリティーを発生させることを意味しており、ミクロな微小作用力によりナノメーターの会合体のキラル構造が制御できる可能性を示している。3)静磁場勾配およびパルス磁場勾配のもとで、滴容法により界面張力を測定し、界面張力への磁場の影響を検討した。その結果から、液滴の磁化率が同時に測定できることがわかった。4)磁性微粒子と界面を繋ぐシステアミンを磁気張力で引っ張ることにより、システアミンのゴーシュ型がトランス型に転換することを、表面増強ラマン法により明らかにした。5)液液界面における亜鉛(II)-テトラピリジルポルフィリンの会合体の構造と反応について実験的に解析した。6)液液界而におけろマイクロエマルションの生成を、全内部反射散乱法により観測した。
すべて 2007 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件)
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