研究課題/領域番号 |
16105003
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹添 秀男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10108194)
|
研究分担者 |
渡辺 順次 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90111666)
石川 謙 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10176159)
高西 陽一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80251619)
|
キーワード | 液晶 / バナナ形液晶 / キラリティ / 極性 / 非線形光学 |
研究概要 |
(1)X線マイクロビームを用いた構造解析:多くのバナナ形液晶に対し、高エネ研のビームラインを用いて数ミクロン領域のX線構造解析を行った。シトロネロール誘導体では電場誘起分極変調B7相-SmCSBF^*相転移に基づく構造変化を明確に捉えることに成功し、Phys.Rev.Eに報告した。また、ダイマー型液晶の同族体の構造解析を行い、末端鎖の長さに対する構造変化を系統的に解析することに成功した。Phys.Rev.Eに論文作成中である。 (2)強誘電生、反強誘電性の出現に関する偶奇効果:プロトタイプのバナナ形液晶のキラル類似体であるP-n-OPIMB(n-2)^*とその側鎖のひとつの炭素が酸素に置き換わった液晶の2種類の同族体につき、顕微鏡組織観察、誘電測定、分極反転測定、光第二高調波発生などの手法で相同定を行い、8種類の液晶でnの偶奇に従いそれぞれ強誘電性、反強誘電性を示すという完全な偶奇効果を見出した。これまでバナナ形液晶で強誘電性を示すものが少ないことから今後の分子設計指針として重要な知見が得られた。現在JACSに論文作成中である。 (3)キラル表面を用いたキラリティの制御:バナナ形液晶はアキラル分子からできているにもかかわらず、そのB4相ではキラルドメインへの自然分掌を起こすことが知られている。しかし当然、左右のドメイン比率は1対1(0e.e.)である。我々は界面の効果によって有限のeeを発生させることに成功した。界面に用いた高分子はキラル側鎖を有するポリイミドで、本配向膜を塗布した基板でアキラルバナナ形液晶のセルを作製したところ、液晶は2つのキラルドメインに自然分掌し、しかも、10%e.e.の偏りを持つことが分かった。Angew.Chem.に報告された。
|