研究課題/領域番号 |
16106001
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
澤木 宣彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70023330)
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研究分担者 |
山口 雅史 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20273261)
田中 成泰 名古屋大学, エコトピア科学研究機構, 講師 (70217032)
本田 善央 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60362274)
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キーワード | MOVPE / Si基板 / ナノヘテロ構造 / GaN / 面間拡散 / 不純物ドーピング / 界面構造 / 電子線ホログラフィー |
研究概要 |
本研究は、加工シリコン基板上へのMOVPE選択成長法により、複数のファセットで囲まれたGaN微細単結晶を自然形成原理に従って成長させ、これを用いた窒化物半導体ナノヘテロ構造を作製することを目的としている。 1.シリコン(111)面上へのGaN成長においてAlGaN緩衝層の形成条件とヘテロ界面のポテンシャルならびに電気的特性との関係を、光伝導スペクトル、反射走査電子顕微鏡像を解析することによって評価し、緩衝層の結晶形態が結晶性と電気的特性を左右することを明らかにした。 2.ファセット上でのAlGaNおよびInGaN薄膜ならびに多層構造を作製し、その組成と膜厚分布を詳細に評価し、気相ならびにファセット上でのGa化学種の拡散過程が結果を支配していることを見いだし、拡散長、活性化エネルギーを決定した。他方、AlとInの拡散現象は顕著な効果が見られなかった。 3.AlGaN緩衝層の形成条件と界面構造、欠陥の生成過程との関係を評価する手法として、GaN/Siヘテロ界面の電位分布を電子線ホログラフィーを用いる手法を開発した。これによりGaN/AlGaN界面近傍のフェルミ準位の推定が可能になった。 4.(1-101)GaN/AlNヘテロ構造において、(000)面上の試料では見られないp型伝導が見いだされた。この構造に、Siを添加すると、n型伝導が得られ、ドーピング量に応じて電子密度が増加することを見いだした。この結果、Siが(1-101)面でGaを置換しドナーとして働くことが明らかになった。他方、この構造にCを添加するとp型伝導によるホール濃度が増加することが見いだされた。このことは、窒素面にドープされたCがNを置換しアクセプターとして働くことを示唆している。
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