研究課題/領域番号 |
16106007
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
宮本 文穂 山口大学, 工学部, 教授 (10093535)
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研究分担者 |
中村 秀明 山口大学, 工学部, 助教授 (20207905)
河村 圭 山口大学, 工学部, 助手 (70397991)
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キーワード | 社会基盤構造物 / ストックマネジメント / 知的情報処理 / ライフサイクルコスト / 維持管理 / データベース / 画像処理 / 世界標準化 |
研究概要 |
本研究の目的は、社会基盤構造物ストックを知的情報処理技術の利用によって戦略的にマネジメントし、世界的に形成しつつあるマーケットのリーダシップを発揮しようとするものである。本年度は、フィンランドより長期(1.5年間)にわたって研究者を雇用し、また、アメリカ、ドイツ、韓国などより研究者を招聘して、平成16年度の研究成果をもとに、(1)社会基盤構造物維持管理用データベース、(2)構造性能診断システム、(3)橋梁ヘルスモニタリングシステム、(4)ひび割れ自動検出画像処理システムのプロトタイプを構築するとともに実用化検討を行った。また、それぞれ構築したシステムを英語および中国語に翻訳し、Web上(インターネット上)で公開し、各国の共同研究者などからの意見をフィードバックした。これと平行して、知識や技術を次世代へ伝承する技術・知識伝承システムの構築を行った。このシステムは、知識情報処理の技術とバーチャルリアリティの技術を用いて、構造物診断の専門家が、環境条件や発生している損傷を基に、どこを見て、どのように診断しているのかを仮想的に体験し、診断の思考プロセスを理解することにより、技術や知識を学ぶシステムである。また、これまでの成果を海外共同研究者とともに広く検討するために、昨年6月に、「3^<rd> Infrastructure & Environmental Management Symposium in Yamaguchi 2005」を、また、昨年11月に、「International Workshop on Lifetime Engineering of Civil Infrastructures」をそれぞれ、本学で開催し、各国の当該分野の現状に関する意見交換を行った。また、研究分担者の一人を約2ヶ月間にわたって、当該分野の最新動向調査と海外共同研究者間を横断するシステムの検証のために海外に派遣し、開発システムの世界標準化を進めた。また、新たなテーマとして先進諸国を中心に社会問題化してきている、社会基盤構造物の一つである下水管網の劣化予測と長寿命化メンテナンスにメタ戦略とモニタリング技術を適用した統合化システムの構築を試みた。 以上のように、3年目に入る本研究は、研究分担者、海外共同研究者間の連携の基に、特許化、市場ニーズ調査、事業性調査などを含めて数多くのプロジェクトに発展していく基盤を形成しつつあるといえる。
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