研究課題/領域番号 |
16106008
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
弘津 禎彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70016525)
|
研究分担者 |
石丸 学 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00264086)
佐藤 和久 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (70314424)
平田 秋彦 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90350488)
牧野 彰宏 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30315642)
|
キーワード | 規則合金ナノ粒子 / 硬質磁性 / 規則度のサイズ依存性 / FeCuPt / FeCoPd / 低温合成 / ALCHEMI法 / FePtZrB |
研究概要 |
本研究では、次世代の超高密度磁気記録媒体材料を実現するために重要な、硬質強磁性ナノ粒子の構造と磁性の関連を明らかにする研究を行ってきている。今年度は、(1)Cu添加低温合成Llo-FeCuPtナノ粒子の規則度の粒子サイズ依存性、(2)Co添加によるFePd,FePtナノ粒子の方位配向制御、(3)FePtZrB液体急冷試料のFePt粒子を含むナノ組織解析、に関する研究を行った。 (1)については、340℃基板スパッタによるLl_0-FeCuPt合金(Cu〜12at%,Pt〜50at%)の低温合成を達成しているが、今年度は、FeCuPtナノ粒子規則度の粒子サイズ依存性について調べた。(a)Ll_0-FeCuPt合金中のCu原子占有位置をALCHEMI法により決定し、CuのほとんどがFeサイトを置換することを確認した。この結果に基いて、(b)ナノビーム電子回折と回折強度計算により、サイズの異なる47粒子についての規則度Sをそれぞれについて求めた。Sは粒径12nm以上でS=0.58、粒径8nmから減少し(S=0.53)、7nmでS=0.41となった。完全不規則となるサイズは高分解能電顕像により求め、3nmであった。保磁力の粒径依存性は、規則度を有しない硬磁性体の場合と異なり、Ll_0-FePt径ナノ粒子では、規則化のKineticsが大きく関与することを示した。 (2)については、岩塩基板上でのCo添加FeCoPtスパッタ粒子合成を試みた。規則化温度は約500℃となり、FeCuPt系(340℃)よりも高いこと、および、c軸配向性は低いことが判明した。また、MgO(110)基板上でのPd⇒Fe⇒Co逐次蒸着・アニールによるLl_0-FeCoPdナノ粒子合成を行い、基板面からc軸が45度傾斜したLl_0-FeCoPdナノ粒子の合成を実現し、このときの面内磁化のヒステリシス曲線において非常に高い残留磁化を持つことを見出し、単磁区粒子磁化過程が関与することで説明した。 (3)については、(Fe_<55>Pt_<45>)_78Zr_4B_<18>合金の液体急冷リボンでのナノ組織解析を行った結果、as-quench試料ですでにLl_0-FePt粒子(サイズ数10〜100nm)が析出し、母相としては、FePt_3+FeB(Ortho-rhombic)混合組織であることがナノビーム電子回折による単結晶パターン構造解析、EDSナノビーム組成分析などで明らかとなった。
|