研究分担者 |
田 旺帝 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (40344501)
鈴木 秀士 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (30322853)
野村 昌治 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (70156230)
阪東 恭子 産業総合研究所, 環境科学技術研究部門, 主任研究員 (50357828)
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研究概要 |
ガソリンやディーゼルオイルに含まれる硫黄分の除去が重要になっています。その理由は,自動車等に使った場合,硫黄分が酸化され,大気に放出されることで,酸性雨のもとになります。また,エンジンで生成されるNO_xを除去する触媒を硫黄分が被毒します。したがって,燃料に含まれる硫黄分をppmオーダーまで下げるように規制が強くなっています。これまでの快適な生活を保ちながら,地球環境を守るにはどうしても硫黄分を除去できる安価で優れた触媒が必要です。私たちの日米共同研究グループはこの目的を達成するための新しい触媒として金属燐化物が優れていることを見いだしてきました。この研究では,この優れた燐化物触媒がなぜ優れているのかをEXAFS(X線吸収微細構造法)法という分光法で探ろうとしています。この手法は,触媒が働いている現場の触媒構造を知ることができるというほかにない特徴をもっています。私たちは,さらに脱硫触媒反応条件である50気圧300℃という過酷な条件で,迅速に(<1s)このEXAFSを測定できる手段の開発を目的にします。本年度の成果は以下の3点であります。 1.高機能脱硫触媒の構造解析と高温高圧実反応条件下の測定法の開発 2.高速EXAFS装置の設計 3.高機能脱硫触媒の表面科学的なアプローチ 1については,SiO_2やKUSY担持のリン化物触媒の構造がNi_2Pであることを明らかにしました。また,100気圧600℃という過酷な反応条件に耐えるセルを製作し,実反応条件でのXAFS測定に成功しました。 2については,全国の触媒研究者と連携し,測定装置の設計を行いました。 3については,主にSTMを用いてNi_2P単結晶の構造解析を行っています。
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