研究課題/領域番号 |
16107006
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
栃原 裕 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (50095907)
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研究分担者 |
勝浦 哲夫 千葉大学, 工学部, 教授 (00038986)
綿貫 茂喜 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (00158677)
大中 忠勝 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (20112716)
安河内 朗 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (20136568)
村木 里志 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教授 (70300473)
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キーワード | 人工環境 / 温熱環境 / 人工照明 / 血栓症 / 浴室環境 / 空調 / 血液粘度 / 体温調節能 |
研究概要 |
・全国10地域、約300世帯を対象に、夏季と冬季に居室内(浴室、脱衣室、居室等)温度を各1週間測定するとともに生活様式を調査し、入浴死亡率との関係を明らかにした。北国の入浴実態に通じる、入浴の回数が毎日でなく,湯の温度が熱めのときに死亡率が高く,湯船に入っている時間が短いときに死亡率は低いということになった。札幌では部屋間の温度差が小さく、廊下を含めて15℃以上に保たれていたが、その他の地域では、居間は高い室温に保たれていたが、廊下、脱衣室は低い気温であった(特に、秋田、仙台、富山)。浴室温は、札幌以外は平均20℃以下であり、15℃以下の例も見られた。入浴死亡率と脱衣室温との間に有意な相関が存在し、脱衣室温が低い地域ほど、死亡率が高いことが示された。 ・日常生活におけるクーラー使用がヒトの内分泌系機能へ与える影響について検討した。冷房の長時間(11.4±4.5時間/日)使用者9名(L群)と短時間(2.1±1.05時間/日)使用者8名(S群)を対象とし、平日の3日間の周囲気温・気湿を測定した。また、午前8時から午後10時まで、2時間毎に唾液中のコルチゾール濃度を測定した。コルチゾールはS群では両月とも同様な日内リズムを示したが、L群では7月では起床後のコルチゾール上昇の程度が小さく、9月ではリズムの乱れが認められた。 ・航空機内の独特の環境である「低圧・低酸素」および「低湿度」が、いわゆるエコノミークラス症候群の発症にどのような影響をもたらすかを、長時間椅座実験により明かにした。4環境条件下で、2時間の長期座位前後に、下肢から採血分析し、体重減少量と下腿囲を計測した。血液粘度と下腿囲は時間の有意な主効果、下腿囲では時間と気圧の交互作用、血液粘度においては時間と湿度、および時間と湿度と気圧の交互作用に有意傾向が認められ、航空機内の高リスクが示された。
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