研究課題/領域番号 |
16107007
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 良文 千葉大学, 環境健康フィールド科学センター, 教授 (40126256)
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研究分担者 |
李 卿 日本医科大学, 医学部, 講師 (50250048)
川田 智之 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00224791)
恒次 祐子 (独)森林総合研究所, 構造利用研究領域, 研究員 (00360397)
朴 範鎭 千葉大学, 環境フィールド科学センター, 准教授 (10456080)
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キーワード | 実験生理人類学 / 理論整理人類学 / 生理人類学体系化 / 全身的協関 / 生理的多型性 / 絶対値計測 / 生理的メカニズム |
研究概要 |
本研究の目的は、実験生理人類学によって畜積した実験デ一タに理論生理人類学という新たな考え方を導入し、両者の融合から生理人類学を体系化することである。 実験生理人類学においては、フィールド実験・実験室内実験を実施し以下の2点を明らかにした。1)フィールド実験では、自然環境が人間に及ぼす影響を明らかにするため、今年度、全国3力所の森林浴実験を追加し、計38ヶ所、456名の被験者実験を終了した。これまでの35ヶ所、420名の森林浴実験から、森林浴は、SAM系ならびにHPA系の抑制をもたらし、コルチゾール濃度の低下が免疫機能の上昇をもたらすと言うメカニズムが全身的協関という観点から解明された。2)近赤外時間分解分光法を用いた室内視覚刺激において、前頭前野の活動が昂進する被験者と抑制される被験者が観察されたが、安静状態の絶対値計測との関係によって説明できることが明らかとなった。安静時の活動が高い被験者は視覚刺激によって、活動が低下し、安静時の活動が低い被験者は活動が上昇することが分かった。この関係は、森林浴時の唾液中コルチゾール濃度と免疫グロブリンA濃度に関しても認められているつまり、一般的に個人差と呼ばれている刺激.による被験者のデータの「ばらつき」について、我々は誤差ではなく実体であると捉えているが、その個人差を「刺激前安静時の絶対値と刺激による変化量の関係」から説明できることが明らかとなった。 理論生理人類学においては、海外の主要な生理人類学者と議論を深めながら、生理的多型性、全身的協関、機能的潜在性、テクノアダプタビリティ、環境適応能という生理人類学の5つのキーワードについて、その定義を確定させた。
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