研究課題/領域番号 |
16109005
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
市川 家國 東海大学, 医学部, 教授 (80317768)
|
研究分担者 |
松阪 泰二 東海大学, 医学部, 准教授 (50317749)
新村 文男 東海大学, 医学部, 准教授 (30282750)
長田 道夫 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (10192238)
|
キーワード | 糸球体硬化症 / ポドサイト / 蛋白尿 / Angiotensin II / SV40 / megalin / トランスジェニックマウス / 慢性腎不全 |
研究概要 |
1.HIV-1感染症等でおこる虚脱型糸球体硬化症では、podocyteが増殖すると信じられてきた。podocyteを遺伝的に標識したp21ノックアウト(KO)マウスに虚脱型糸球体硬化症モデルを作製し、増殖細胞はpodocyteではない事を明らかにした。 2.podocyteは通常生後に増殖しない。podocyteにSV40のT抗原を誘導可能なマウスを作成し、in vivoでpodocyteを強制的に増殖させた。Podocyteを持続的に増殖させると傷害されたが、短期間の増殖を繰り返す事により、傷害を起こす事なく約10%podocyteの数を増加させる事ができた。 3.Doxycyclineによりpodocyte特異的にhVEGFが誘導されるマウスをデザインした。hVEGFの発現は、内因性VEGFに比べて微量で、podocyte傷害を誘発しても、その後の糸球体病変には影響を与えなかった。 4.Megalin KOマウスを用いて、podocyte傷害に続発する多量の尿蛋白は、megalinにより近位尿細管に再吸収され、その後の尿細管傷害を引き起こす事を明らかにした。 5.Podocyte傷害は、Angiotensin(Ang)II受容体(AT1)阻害薬により、著明に軽減される。Podocyte特異的AT1 KOマウスを用いた研究の結果、AT1阻害薬は、podocyte以外の細胞のAT1を阻害する事により、間接的にpodocyteを保護する事を明らかにした。 6。AngIIの前駆体Angiotensinogen(Atg)は、主に肝臓と腎臓で産生される。肝臓特異的、および腎臓特異的AgtKOマウスを作成・解析した。その結果、大部分の腎臓のAgt蛋白は、肝臓に由来し、糸球体で濾過され、近位尿細管に再吸収されたものである事が判明した。
|