研究課題/領域番号 |
16200006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大澤 幸生 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (20273609)
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研究分担者 |
矢田 勝俊 関西大学, 商学部, 助教授 (00298811)
高間 康史 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教授 (20313364)
砂山 渡 広島市立大学, 情報科学部, 助教授 (40314398)
山田 雄二 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 助教授 (50344859)
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キーワード | チャンス発見 / 合意形成 / 創造支援 / 織的意思決定 / データマイニング |
研究概要 |
ユーザらの関心と環境データとの相互作用を高める会話支援システムと、シナリオマップを生成するツールとしてKeyGraphにはじまる多様な可視化ツールを組み合わせて用い、あるツールの出力を見て他のツールの出力にアノテーションを加えるなどの統合操作によって、肝炎患者の診察など各種の発見ができるようになった。ユーザらは、会議をしながら言葉によって未来のシナリオを述べても、シナリオマップ上で事物をポインティングすることによっても自分の関心を表現することができる。データの各部分にユーザの関心との関連をXML形式で記入し、後からユーザが関心に該当するデータを選択的に可視化することが可能な電子掲示板システムも実現した。また、会議の発散と収束をユーザらが適切に制御するのを支援する電子掲示板を作成し、組織のチャンス発見能力を高める効果を発揮した。 特に昨年度は、このシステムの上で組織的チャンス発見に向けて議論に参加する各ユーザに対し、シナリオマップ上において、類似した関心を持つユーザ同士のシナリオを明解に可視化する技術を開発することを試みた。その結果、一層本質的な問題が新たに見出されたことは大きな成果であった。すなわち、あるユーザと類似したユーザを見出すためには扱うデータの近いユーザを求めることが有用と考えられたが、実際には自分にとって有益なデータを選ぶプロセスがユーザによって大きく異なり、関心の類似性と参照するデータの類似性が強く相関しない。また、チャンスを発見しようとするユーザらにおいては関心をキーワードで表現することも困難で、キーワードの一致により関心の類似を推定することも困難となる。これは、チャンスの要因と結果が未知であることが多いため、求めるチャンスの意味を言語化することが困難であるからである。これらの問題は組織意思決定技法としても本質的であり、研究の最終目標設定に有効となった。
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